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あなたに居てほしい



あなたに居てほしい


ここにはケーキと酒とキャンドルがある。
あとは、あなたがいないだけ。
あなたがいなければ、このケーキも、酒も、キャンドルも意味が無い。

もしも、ここにあなたがいたとしたら
どんな夜になるのでしょうか。

もしも、このままあなたが来なかったら
どんな夜になるのでしょうか。

ほんとは
ケーキよりも、酒よりも、キャンドルよりも
あなたに居てほしいのに。





虹の向こう


雨が上がって、虹がかかっている。
写真を撮って、あなたを思い出す。
でも、連絡先は消してしまった。
虹の向こうであなたは笑っているだろうか。
過去の自分を呪ってやりたい。
感動を共有したい相手との繋がりを
自らの手で隔ててしまった過去の自分を。




曇り空の誰時たれどき


眠れなくて、うずくまっていたら
いつの間にか日が昇っていた。
久しぶりの朝陽を見てやろうと
身体を起こして窓を開けてみたけれど
脳裏に浮かぶのは
重たい瞼をこするあなたと見に行った
あの海岸沿いの夜明け。
たしか、あの日は曇りだったから
麗かな朝陽は見れなかったはず。
でも、どんな朝陽を見たって
あの日のあなたの横顔を思い出す。
わたしはまだ
あの曇り空に寄りかかっている。

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