見出し画像

2024年は日本の労働市場変革元年の予感 「消費者>労働者」から「消費者=労働者」へ

ちょっと前に最近私のところに届く案件がめちゃ難しくなってきたという話を書いたんですが、段々と何が起こってるのかがわかってきたので、私が見ている景色を書いてみます。

2024年は明らかに日本の人事領域の潮目が変わったと言われる年になるんだろうなと思います。そして、何がこの変化をもたらしてるんだろうと考えると、この図式で説明できるんじゃないかなと思いました。

「これまで=消費者>労働者、2024年=消費者=労働者」

私が感じる日本の企業経営の変化

日本の企業経営においては、「お客様は神様です」と言う言葉が象徴するように、これまでは圧倒的に消費者が大事で、労働者は消費者にサービスを提供するための存在と言う状態だったんだろうと思います。

それが、労働人口の縮小による人手不足と、働く人たちの価値観の変化、雇用の流動性の高まりにより、お客様だけを神様とは言ってられなくなり、標語でもなんでもなく、「社員は宝」みたいになってきたんだろうと。

今までは、顧客の満足度やニーズは相当なお金、コストをかけてリサーチして、戦略を立てて、施策を実行していた一方で、従業員に対する人事施策は、大げさに言えば適当、もしくは消費者のためのものほどではないという感じだったのが。

最近は、対従業員向けの施策も、対消費者向けの施策と同様に重要視され、社内で厳しく見られるようになってきたんだろうなと言うのを感じています。

それに伴い求められるもの

これは、ありとあらゆる面でとても良いことだなと思うわけなんですが、ただ大変なのは人事施策を策定、実行する側で。

今までは、そこまでのナレッジがあったわけではない中で、たまたまジョブローテのタイミングで担当したジェネラリスト的人事が、なんとなく施策を進めてたみたいな状態だったんだと思いますが。

もうそんなことも言ってられなくなってしまいました。

役員たちからめちゃ施策について細かくみられるようになり、「これで本当に成果が出るのか」と詰められます。

その際に頑張って説明しても、説得できないから、結果的に私のところまで役員の説得と言うロールが回ってくると言う感じだなと思いました。

冒頭書いたように、最近、本当にいろいろと難しくなってきているなと感じるのですが、その中でも特に難しくなったなと感じるのは上記のような営業段階、企画段階での社内の合意形成です。

多くの企業で、業績を上げることが難しくなり、そのために必要とされる技術も高度になってきている中で、従業員の価値観も多様化し、何が課題なのか、どういった施策が重要なのかを捉えるのが難しくなってきています。

その上で、どこの会社においても、これまでに行なってきた施策や今現在も行おうとしているその他の人事施策があります。必然的に、そことの接続への説明が求められてきます。

ここまでくるともう一般的な理論やパッケージ型の商品では対応できないというケースがめちゃ増えてるなと言う感覚です。

当日の現場も難しいですが、それよりも今は上記のフェーズが圧倒的に難しくなった気がしますし、もはやワークショップ当日より、事前段階での社内合意形成フェーズの方が高度なファシリスキルが求められるみたいな感じがあります。

この状況での対応に必要な人材とは


複数の役員を相手に説得するという状況下では、普通に一般的に販売されている書籍等を読んで学んだり、教育理論を学んだりしてきたというだけでは、なぜ今、この組織で、この施策をするのが良いのかを説明し、説得するのは難しいだろうな思いました。


私の場合、今の所、運の良いことに、どの現場にたっても大抵の懸念点、質問については説得力のある回答ができているなと思うわけですが。

これができるのは、何年も企業研修の領域で色々な業界のいろいろな対象の方々向けに教育活動をさせてもらってきたこともあり。

ワークショップの中や事後アンケートなどで、いろんな人たちのニーズや、困りごと、感覚、変化可能なところとどうにかするのがとても難しい箇所についての肌感覚が鍛えられてきたこともあり。私がさんざんいろんな現場で働く人の声に触れてきたからに他ならないなと思います。

つまり、向こうしばらくは、経験を積んできた人材開発、組織開発のスペシャリストは引く手数多だろうなと言う気がします。

この状況をポケモンで考えてみる


今回私に見えてきた景色のイメージを言えばポケモンの強キャラみたいな感じなんですが。

炎タイプでも、水タイプでも、草タイプでもなんのタイプでも良いんですが、強キャラになると、誰がパーティを編成しようとしても、とりあえずこの属性においてはこのキャラだよねと、メンバーの1人としてアサインされていきます。

これが企業の人事施策単位で起こってくるだろうなと言うイメージです。

うちの人事施策を考え、実行していこうと思うなら、あのスペシャリストに入ってもらおうと。

これは既に起こってる業界の著名人で言えば、デザイナー界の佐藤可士和さんだったり、建築界の隈研吾さんだったりみたいなイメージでしょうか。

あんなトップオブトップと比較していくと、水準が違いすぎておかしなことになりますが。

ポケモンと違い、現実空間では、そのタイミングでアサインできるデザイナーには限りがあるため、トップオブトップでなくてもそれなりの企業からアサインされていくと言うことは起こっていくだろうなとを思いました。

これから新たに広がっていくであろう職業

誰もが聞いたことがあるようなレベルのいろいろな企業の人事教育施策をデザインし、実行支援をしていくというのは、ある意味とんでもなくやりがいのある仕事ですが、同時にとんでもなく難しい仕事でもあります。

さっきも書いたように、難しい案件をなんとか回せる人を育てるのはめちゃくちゃ大変なのでしばらくはなのか、今後ずっとなのか、高度人材不足はかなりの問題になるだろうなと言うことを思ったと言う話です。

特に人事施策の領域の場合、どうしても、日頃のその人の印象や関係性が切り離せないため、社内のメンバーが担当しようとするとスムーズに進めることが難しいということも起こります。

こういった点を考えても、今後は、外部の人事・組織開発のスペシャリスト人材への需要はますます高まっていくだろうなと感じました。

これを読んで、興味が湧いた方は、ぜひこの領域へと進んでみるのも考えてみていただけたらと思います。

とりあえず、今は、一つプロジェクトが終わってもまた次がやってくるので、健康に気をつけて頑張ってやっていこうと思います。

今日も素晴らしい学びの機会をありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?