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アルバムの温度感

アルバムと聞いて何がうかぶ?

LINE?それともアーティストの楽曲?

僕はもっぱら、現像された写真が入っている写真帳を思い出す。

アルバムの語源は、ラテン語で”石灰”を意味するらしい。
そこから”白い掲示板”をさすようになり、
掲示板の意味から、”大切なものを貼る場所”と転じ、
今日の写真帳といった意味になったということらしい。

へえ。しらなんだ。



お盆を理由に実家に帰省している訳なんだけど、
たまたまアルバムを手にする機会があった。

今、仕事で敬老の日の企画を考えている。
考えるにあたって、自分の祖父母との思い出を見返そうと思ったのだ。

確かな思い出も、あやふやな記憶もそこにはぜんぶ残されていた。

髪の毛がふさふさなおじい、しわのすくないおばあ。
こんなに美男美女夫婦だったのねと思わず笑ってしまう両親。
そして、
この世界のすべての人に幸せを配っていたのではないかと思うくらい、屈託の無い笑顔でかけまわる自分。

今となっちゃ、すべて見る影もなし、笑

ああ、諸行無常。



僕は、アルバムが好きだ。

次はどんな写真なんだろうと、一枚一枚めくるたびに、楽しみが募るから。
色あせた様子がその年月の長さを感じさせてくれるから。

押し入れの奥から引っ張りだした大量のアルバムを抱えながら、「こんなにあるんだよ」と苦笑いする親の様子に愛を感じるから。

あーでもない、こーでもないと家族とアルバムを見返す時間が好きだから。



だから、もし将来、僕に家族ができたら写真は必ず現像して、アルバムに収めようと思う。

そして、いつの日か大きくなった僕の子供が、

「昔の写真みせて!!!」

と言ったら、

嬉しい気持ちを隠しながら、
気怠そうに押し入れの奥からアルバムを引っ張り出してくる算段だ。

どれだけ場所をとってもいい。
色あせてしまってもいい。
それでも、僕はアルバムを残したい。

むこう30年の楽しみはこれにつきる。

現像できる場所が、なくならなければよいなあ。


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