手離したはずの青春
アイスコーヒーの氷がカランと鳴る。これこそが夏の音だと僕は思う。
セミの鳴き声でも打ち寄せる波の音でもない。
30代になった今、夏が来たところで山に行く予定もなければ、海へ走り出す元気もない。
いつものように、仕事がやってきて、カレンダーがいつのまにか8月になっている。それが僕たちの夏だ。
青春という2文字は若者の特権。僕たちはもう手離した。そう信じて疑わなかった。
ABCお笑いグランプリ、ytv漫才新人賞決定戦を見るまでは。
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