見出し画像

手離したはずの青春

アイスコーヒーの氷がカランと鳴る。これこそが夏の音だと僕は思う。

セミの鳴き声でも打ち寄せる波の音でもない。 


30代になった今、夏が来たところで山に行く予定もなければ、海へ走り出す元気もない。
いつものように、仕事がやってきて、カレンダーがいつのまにか8月になっている。それが僕たちの夏だ。


青春という2文字は若者の特権。僕たちはもう手離した。そう信じて疑わなかった。


ABCお笑いグランプリ、ytv漫才新人賞決定戦を見るまでは。

ここから先は

981字
この記事のみ ¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?