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心地の良い敗北感


読売テレビ「クギズケ」の収録から帰ってきた。

「クギズケ」と「快傑えみちゃんねる」に出させてもらったときの帰りはいつも頭がズキズキしている。それは心地の良い頭痛。

上沼さんのトークについていこうと必死に頭を回すからだ。ついていけるわけがないのに。

そしてトークに圧倒されノックダウンして帰路に着く。しかしそのノックダウンはなぜか心地がいい。うなだれるように膝をつくのではなく、仰向けに大の字で寝転び、「また負けちまったな」と言いたくなる感覚。

そりゃそうだ。なにもかも次元が違いすぎる。

小さい頃、お父さんに相撲で挑み、投げられる感じ。あれに近い。

はなから勝てるなんて思ってないし、なんなら相撲をとらせてもらえてる幸せの方が勝ってしまう。

だからくる心地の良い敗北感。


僕たちはクギズケとえみちゃんねるの前説を長くやらせてもらっていた。クギズケは4年ほど。えみちゃんねるは舞台などが入っていなければ今だにやらせてもらっている。

今の自分たちの土台を築いた大切な仕事だ。

前説でお客様との絡み方、盛り上げ方を覚え、本番のモニターで上沼さんや他の芸能人の方のトークを浴びて勉強する。

いざ、ロケで一般の方と絡むときにそれが役立ち、営業でお客さんとの絡みに応用できる。

この前説で教わったことが多すぎる。

そして前説を続けると本編に出演させてもらえる日がやってきた。

えみちゃんねる、クギズケはそれぞれ出演させてもらったのは6、7回。この芸歴の芸人にしては多い方だ。

なぜ多い方なのか、番組の前説を続けていたから。前説をしていた子は引き上げる、それが上沼さんの心意気だ。

僕たちよりもっとコメントが上手い人、トークが冴える人、人気がある人、山ほどいる中、読んでもらえる。すごく上沼さんの番組への愛と器の大きさを感じる。

本当にお世話になっています。

今日収録が終わり、帰りのご挨拶をしに行った時、満面の笑みで「また助けてね」と言ってくださった。

もちろん僕たちが上沼さんを助けれたことなど一度もない。それでもそう言ってくださる。

一生かかっても追いつけない。

でもそれでいい。

そう思わせてくれる人。



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