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革新を恐れるな

1つの仕事を長く続けていると難しいことがある。

今までのやり方を変えること。

変化をもたらすこと。革新的なことをすること。

変革。

ここで話は変わるが、みなさんのイメージで答えてほしい。

野球と聞いてイメージすること、

ソフトボールと聞いてイメージすること、

性別で言うと

野球は男子でソフトボールは女子。

多くの人がそう答えると思う。

しかし、日本にはいや世界にはもちろん女子野球があり、男子ソフトボールがある。

日本の女子野球にいたってはワールドカップ6連覇中で、もっか世界ランキング1位を独走中だ。

悲しいかなその快挙を知ってる人はそう多くない。

僕は個人的に3、4年前から女子プロ野球を応援している。応援する理由は日本の女子プロ野球の強さだけではない。

女子プロ野球で多くのことを教わったからだ。

女子プロ野球は新しい。というよりみなさんがイメージする野球とは想像できないことが多々ある。

現在女子プロ野球は3球団プラス育成球団が1球団。試合中、ベンチに入らなかった選手は球場の外で物販をしていたり、球場内で飲み物を売り歩いたりしている。

プロ野球では考えられないことだ。

選手が声をかけられる距離にいるのだ。

そして試合終わり、プロ野球では勝ったチームはハイタッチをし、スタンドに礼をして、中に引き上げる。

女子プロ野球の場合、勝ったチームはホームのスタンドに向かい、チームのテーマソングにのせダンスをする。

勝利の舞を踊るのだ。

これもプロ野球では考えられない。

女子プロ野球はプロ野球という固定概念を壊してくれる。革新的だ。

物販も勝利のダンスも野球とは関係ない。でも選手は率先して楽しそうに行う。それはなぜか、ファンが喜ぶからだ。

僕は女子プロ野球を応援しながら、その革新的なファンサービスに大いに刺激を受け、勉強させてもらった。

漫才だって新しいことをやっていっていいのかもしれない。

漫才中ウケればガッツポーズをしてもいいし、センターマイクが3本あったっていい。平井堅さながら椅子に座ってやったっていいし、バックに小粋なBGMがかかってたっていい。

僕はスタンドに座り、ポニーテールがなびく内野ノックを見ながらそんなことを考えていた。

あ、あともうひとつ学んだことがある。

選手がすぐ触れられる距離にいるにも関わらず

僕は「○○選手だ」と思いながら声をかけることが出来なかった。たったの1度も。

たまに見る「木﨑さん見かけたんですが声かけられませんでした」の呟きに、以前は「声かければいいのに」と思っていたが、今はその子に大きく共感できる。

今はコロナウイルス感染拡大の影響でいつ開幕されるかわからない状況だが

女子プロ野球はまた僕らを驚かせてくれるし、楽しませてくれるに違いない。

僕らも劇場が再開すれば、みんなを驚かせたいし、楽しませたい。

金のスーツを着て、回りながら登場し、客席に降りる僕がどうすればみんなを驚かせられるだろう。

黒いスーツで普通に登場し漫才をすれば驚くのか。

もう一つ学んでしまった。

木﨑て、充分革新的だったんだ。

いや、変なだけか。

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