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【読めばラグビーが楽しくなる】シェイプに関する考察#03 防御編

こんにちは。
今日も元気にラグビーの話をしていきましょう!

今日のテーマはこれですね。

「9シェイプに対する防御」です。

前回は9シェイプからの攻撃で前進を許すと、攻撃側に主導権を握られることになると解説しました。

では、攻撃側の前進を防ぐため、防御側はどのような対策を行うのでしょうか?

それでは解説していきましょう。

■ 防御の原則

ラグビーでは「オフサイドルール」の存在により防御側はブレイクダウン(ラックなどの密集)を起点にして横一列に並びます(DFライン)。

(スクラムハーフがパスするなどして)ラックからボールが出ると、オフサイドラインが解消されるので、防御側は一斉に前に出ます。

このとき単に前に出ればよい訳でなく、DFラインをそろえたまま前に出る必要があります。

前に出るのが早い選手と遅い選手がいる場合、攻撃側にそのギャップをつかれます。

ラインをそろえることを重視して、DFラインを前に出さない戦術も考えられますが、得策ではないと考えます。

攻撃側はスピードをつけて走りこんでくるため、待ち構えてしまうと相手の勢いをまともに受けてしまうことになります。よほどフィジカルで上回っていない限り、高い確率で前進を許してしまうと思います。

攻撃側に前進を許すと、防御側は後退しながらポジショニングすることが求められます。
ポジショニングが遅れると、DFラインの前にポジショニングしてしまうオフサイドの反則を犯したり、攻撃側に対して数的不利に陥ってしまったりして攻撃側に主導権を握られてしまいます。

■ ダブルタックル

では、防御側はこれをどう防ぐか。

最近、どのチームでも見られるのは「ダブルタックル」の徹底です。

「ダブルタックル」とは、攻撃側1人に対して文字通り2人でタックルをすることです。

ただ単に2人でタックルをすればよい訳ではなく、1人が足元にタックルして攻撃側の足を止め、もう1人の選手が上半身にタックルをすることによってボールの自由を奪います。

2人とも上半身にいってしまうとフィジカルの強い選手は強引に足を動かして(レッグドライブ)前進してしまいます。
また、2人とも足元にいってしまうと、タックルされながらのパス(オフロードパス)によりプレーを継続されてしまう恐れがあります。

特に体の小さい選手の多いチームは、ダブルタックルをどれだけ徹底して実行できるかが重要なポイントとなるのです。

■ 早明戦から学ぶ、9シェイプ防御

先日行われた早明戦では、早稲田大学の防御が光りました。

明治の9シェイプの先頭の位置の選手に対し、マークの選手が極端に飛び出し、プレッシャーをかけます。

攻撃側の選手は飛び出した選手をかわして内側に切れ込みます。
しかしこの場合、攻撃側の選手を誘い込むような形で早稲田の選手が前に出て待ち構えています。

この後ダブルタックル成功。ちなみに黄色ラインがDFラインが形成されていた位置です。

これにより明治は前進できず、だんだんと後退していくことになりました。
後退しながらではテンポよく攻撃を継続できません。
対して防御側はDFラインを揃え、攻撃側の動きに備える余裕ができるため、プレッシャーがどんどん増していきました。

結果、明治がミス。それを奪った早稲田がカウンターでトライをあげました。

試合を通じて早稲田のタックルミスはわずか2。粘り強い防御で勝ち取った勝利であるといえるでしょう。

■ まとめ

9シェイプからの攻撃を防ぐために防御側は、

① ラインを揃えて前にでること
② ダブルタックル

が求められます。

最初に並んでいたDFラインの位置を「ゲインライン」と呼びますが、攻撃側はゲインラインを超えて前進できるか、防御側はそれを守れるかの攻防が注目ポイントとなります。

ダブルタックルがうまく決まると、攻撃側は数的不利となりますので、うまく前進できません。

攻撃側にはダブルタックルを避け、1対1の状況をつくる工夫が求められることになります。


今回はこれで終了です。
次回のテーマは「攻撃側の工夫」です。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。






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