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ガラス作家を知ってますか。

「将来何になりたい?」と聞かれたら

「絵本作家」

と答えていました。

そこで富山県民なら、

「ガラス作家!」と答える子どももいるのでしょうか。


関東出身のスタッフは、ガラス作家という生き方があるなんて喜代多旅館に来るまで知りませんでした......。

併設のフレンチレストラン「ビストロカドゥー」には、ガラス作家さんの作品が飾ってあります。それが初めての出会いでした。

実は富山市内の駅や路上にも、ガラス作品が生息しているんですって。(全然気づいていませんでした)


その日はガラス工芸好きな、女将の友人Nさんがご宿泊されました。

富山にいるのにガラスを知らないなんてもったいない!」とのこと。

 NさんのInstagram。ガラス工房巡りの跡がスゴイです。↓


ぜひともその機会に!と、富山に移住して3ヶ月半の喜代多旅館スタッフ2名もお供しました。富山県内のガラス工房を巡り、実際にガラス作家さんに会いに行ってきました。ありがたいことにNさんの解説つき。

観光の大定番、富山市ガラス美術館へ。

まずはガラス工房の前に......旅館から徒歩5分の、ガラス美術館へ。

富山は薬でも有名なのですが、ガラスは薬瓶として必要とされたそう。

ガラス美術館と図書館を含む「TOYAMAキラリ」は、隈研吾さん設計のもと、2015年に出来たばかりの開放的な空間です。隈研吾さんは、新国立競技場を創った世界的建築家ですね。

2019年1月現在は「リノ・タリアピエトラ」の企画展が行われています。彼はヴェネチアン・グラスの巧みな技で知られており、80歳過ぎてもなお現役なんだとか。

2,3,4,6階にガラス作品の展示があり、3階は撮影可でした。

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鳥に見えたけれどタイトルは『ダイナソー』↑

ガラス工芸の作り方映像を見て、スタッフMは「金太郎飴」、スタッフJは「カドゥーの料理に似てる」との感想をもらしました。いや本当に、料理番組みたいなんですよ。

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(カドゥーのディナーメニューにこんな料理があったなあ.....)↑



影まで透き通った色は、水のせせらぎのようになめらか。ガラスの光が訴えかけてくるのは、視覚だけに留まりません。

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 おちゃめな『バッドマン』↑


一人目のガラス作家 サブロウさん(神通硝子製作所+calm life)

ガラス工芸といえば吹きガラスのイメージが強いかもしれません。

けれどサブロウさんは、キルンワークと呼ばれる、冷えたガラスを組み合わせ、電気炉に入れて加工する技法を使っています。

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大きな窯を見学しました。ガラス作りの学校では、窯の奪い合いもあったのだとか。

学校やレンタルでガラス工芸をする場合はお安くガラス工芸に関わることができますが、自分のペースで作業することができません。一方で個人のガラス工房をもつと全責任を追うことになりますが、その分集中できる環境をつくれます。

(個人経営のチャレンジということで、喜代多旅館に共通するものを感じました。)


バーナーの作家 作道遼子さん(まほら工房)

ガラス工房巡り二日目。あいの風とやま鉄道に乗って、高岡市へ。

特別に体験もさせてもらいました。ガラスを火で溶かして球状に変形させるのですが、思った以上にガラスがぐにゃんと柔らかくなります。ダリの『記憶の固執』そのままなんですよ!


小林俊和さん、南佳織さん(GLASS STUDIO TIRO)

白と青のキレイな外観の扉を開けると、小さなネズミや鳥たちの姿が。

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ネズミのマーチがなんとも可愛らしい↑

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ガラス工芸でこんなにも鮮やかな朱色(小鳥のくちばしにご注目!)を表現できるのは珍しいそうですが、GLASS STUDIO TIROにいる動物たちのパキッとした色合いは生命力溢れています。

なんと工房のなかの設備は手作りのものもあります。大きいのに、スゴイ。


まほら工房のコアガラスは繊細なお嬢様みたいで、

GLASS STUDIO TIROの吹きガラスは活発な町娘のよう。

技法によって見え方が全然違うのです。

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ガラスの街とやまの真髄を覗かせてもらいました。(ご協力いただいた方々、ありがとうございました。)

新たに喜代多旅館にガラス作品がやってきましたので、お越しの際はぜひご対面ください。


スタッフJ


休んでかれ。