宿屋徒然４ ユニバーサルルーム詳細
■高齢のご家族と一緒に旅行される方への実務的情報１
喜代多旅館では、身体の一部に不具合があっても旅を続けて頂きたい、との思いから、各種の用意がございます。車いすリフト、ユニバーサルルームとユニバーサルトイレ、貸出用の車いすなど。
これらは何度かご紹介してきましたので、今日は別の実務的情報です。
※以前の記事はこちらです↓
高齢のご家族の関節の不調や可動域の狭まり、筋肉の衰え、つまずきやすさなど、ご本人や周りの方が「以前と違う」と気づくようになってから、その方が車いす生活に移るまでは無数の段階があります。車いす生活といっても、慣れたご自宅なら歩ける方も多いと思います。車いすは、状態が悪い時や、大病院の診察日など、長時間の外出時に使うものではないでしょうか。
その日によって体調も違いますし、ご心配が多いことと思います。
出来るだけ心配の種をなくせるよう、高齢のご家族とご利用を検討される際の参考情報です。
ユニバーサルルームで対応可能な方
まず、当館のユニバーサルルームの仕様は「自分で座位を保てる方」を想定しています。移動は車いすを使っても、後ろに背もたれがなくても座っている姿勢を保てる方、の想定です。
・ベッドの高さ 約50㎝（49㎝）
高齢者の転倒防止の座面高の基準
70歳代男性 43㎝ 70歳代女性 40㎝
※出典：高齢者製品事故防止に関するハンドブック 経済産業省
＋15%（49㎝）～ ―15%（36㎝:男性）が推奨されますが、立ち座りしやすい高め設定です。経験上、座る時にくの字の姿勢になり、重心が不安定なまま予想した場所に座面がない時が転倒しやすいです。
※参考 ホテルのベッド高平均 50-60㎝ ダイニングチェア標準 42㎝
・ベッドは電動ではありません。
座面の高さを変えられませんし、背中のリクライニング、足元を上げたり膝の後ろあたりを上げたりすることもできません。
・ベッド用手すりは可動式のものがあります。L字タイプではありません。
ユニバーサルルーム中のバス・トイレについて
・お風呂と脱衣場所に段差があります。
お風呂への出入りはあえて段差をつけています。（20㎝）
足元に注意を促すためです。その代わり、出入り口に縦型手すりと、浴室内の横型手すりを各一本ずつ追加しています。
・トイレについて
車いすの方でも使えるユニバーサルトイレ仕様になっているのですが、足元が弱っている方には、広くてつかまる場所がないので、かえって使いづらいかもしれません。もし買い物カートや杖がご入用でしたら、お申し付けください。
・小上がりの高さ 38㎝ ソファの代わりに畳み敷きの小上がりがあります。
■高齢のご家族と一緒に旅行される方への実務的情報２
歩行について
≪玄関からユニバーサルルームまで≫
・車いすの場合）リフト・折り畳みスロープ ご希望でお選びください。
・1階は段差が多いです 建物の制約上、なくせませんでした。申し訳ございません。
≪2階エレベーターからユニバーサルルームへ≫
・手すりの高さは79.5㎝
・途中手すりが消える部分があります 男性が両腕を拡げても、届くか届かないかの広さです。足元が不安な場合、介助があった方が安全です。
普段は遠くにお住まいで、一緒に旅行を計画されているご家族へ
≪あると便利なもの≫
・はおりもの、ショール、バスタオルなど
心臓の血液を送る働きが加齢で弱くなります。疲れた時は尚更です。指先や足先などの末端の他、肩やひじ、ひざ、すねなど、生命維持に絶対必要な所以外が冷えます。夏場でも温度調整できるものがあると便利です。
・携帯用ダウンパーカやバスタオルなど
加齢による筋力低下、骨や関節の硬化、可動域の狭小化などで、高齢者は同じ姿勢を保つこと自体、体力を使います。携帯用の衣類は、背中の後ろや腰の後ろに置いて、クッション代わりに使えます。服は適度な高さに畳んで使ってください。ご高齢者のはおりものとしては、肩まわりが狭いので、肩の可動域が狭まっている場合は不適当です。
・小さなお菓子や昆布、スポーツドリンク
ご本人に自覚がなくても、移動中や夜間などに急に疲れが出る場合があるので、糖分・塩分補給やイオン補給できるものがあると心強いです。ご本人が好きなものを優先してください。（当館から徒歩1分のところにファミリーマートがございます。）
・当館は桜木町という繁華街の端に位置しています。
そのため、とくに金曜・土曜日は周囲の賑わいが聞こえてくることもございます。あらかじめご了承ください。
・予約サイトでは、【ユニバーサルルーム】専用バス・トイレ付〈角部屋〉〈広々とした和洋室〉という名称でご予約承っております。
休んでかれ。