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【読書感想文】怒りたくて怒ってるわけちゃうのになあ

この本が刺さりすぎてどうしよう、というくらい、いい本でした。子育てするみんなに配りたいくらい。

僕のささやかな三つの教育方針

子どもが生まれてすぐのころに、保育園の経営をされている方から、teachとeduceの違いについてのお話を聞きました。
teachは、知らないことを教えること。educeは、元々持っているものを引き出すこと。
その、両方のバランスが必要だ、というお話でした。
お箸の持ち方は、teachしないと身につかないし、天才たちのやりたいことは、educeしないと、腐っちゃう。

そして、「いや、とは言ってもどうしたらいいか具体的にもう少し教えてくれ」という僕にその人が教えてくれたのは、子育てにおいて、親は「私」を主語にして子どもと向き合うべきである、ということ。
「I massage」と呼ばれる姿勢のことを教えてくれました。 
子どもに向き合うときに「あなたのためだから」でもなく、「社会が求めるから」でもなく、親としての自分自身がどう感じているのかを、子どもとの対話でも1番の優先順位に置くべきだ、というアドバイスでした。

また、僕自身が子どもだったときの経験から、意外と幼いうちにも自我はあるし記憶もあるよな、ということは実感として持っていたので、子どもをひとりの人間として尊重しよう、と考えていました。

そして出会ったこの本

そんな数少ない指針を胸に数年間子育てをしてきて、そういえば最近、あまり子育てについての本を読むことがなかったのですが、Twitterで流れてきたこの本がふと目に留まり、気になって読んでみたところ、最近はもはや悩みとも思っていなかったようなところにまでグサグサと刺さる内容でした。

この本の書き方や構成は、educeの視点と、「私」を主語にすることを大事にしていて、そして子どもを個として尊重していて、とてもすんなりと受け入れることができました。僕の抱いてきた教育方針と、本の書き方がとてもフィットしていたのです。

さて、この本からは沢山の学びがあったのですが、とりわけ僕がなるほど!と思ったこのページについて、大いなる反省をこめながらこのnoteを書いています。

看過できない行動への対応についての悩み

実は、ある時期において、うちの子が、僕としては看過できない行動を取ることが悩みでした。
(本人の名誉のために詳細はぼかします)

そのときに、子供に対して、君はやってはいけないことをしたんだと、断固たる態度で接したとしても、なんだか、その後の行動変容に繋がっていないもどかしさがありました。
そればかりか、ただこの子を心理的に傷つけているだけじゃないか。叱るという行為が我が子自身の否定に繋がっているのではないか、とすら感じていました。
そんなことするなんて、なんて酷い子だ、と言うことはないけれど、メッセージとしてそう伝えてしまっているのでは、という思いです。

けれど、この挿絵にも描かれている通り、誰かを叩くに至ってしまった感情のプロセスや、そう感じてしまった子ども自身を否定したい気持ちは僕にもなかったのです。

強くこの節から感銘を受けたものの、明日からの子どもへの接し方を変えるには、もう少し僕なりに整理し直す必要があると感じ、考えてみました。

2つの時間軸で考える試み

これは必ずしも著者の主張に一致しないかもしれませんが、僕なりに考えて見えてきたものとしては、子どもに向き合うときに、いくつかの時間軸をもって接する、ということがヒントになるのでは、ということでした。

つまり、いま解決すべき問題と、中長期的に解決すべき問題に分ける、ということ。
もう少し言うと、応急処置として必要な対応と、再発防止のために必要な対応は違う、ということです。

看過できない行動を子どもがしている、という事象が発生したときにその行為をやめさせることに集中していいのかもしれないと思いました。

振り返ってみると、僕はその場で、その行動を止めるだけでなく、それがいけないことであり、同時にもう2度としてはいけないということを伝え、納得させることに固執しすぎていたように思います。

そして、起きている問題が深刻であると思うほど、厳しい態度で接することになってしまっていたのでした。

なかなか、そう頭でわかっても、行動に移すのは難しいものではありますが…

ただ、こう考えることで、キツすぎる対応をしないようになってきたような、気がしています。

この本から受け取ったメッセージとしては、一言で言うと、「父ちゃん、焦らなくて大丈夫だよ」ということかもしれません。

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