茨城県は、広域避難訓練の参考にすべく、原電に対し、『東海第二原発災害評価報告書』(シミュレーションⅠ、Ⅱ)の作成・提出を命じた、シミュレーションⅡの結果は、無視できる確率10Λ-30であるため、実際には、考えなくて良く、シミュレーションⅠのみで良く、茨城県は、同報告書の記載内容に拠り、広域避難訓練の具体的な考え方と実施手順が理解できたものの、原電に依存することなく、自身で、この程度の解析を実施できる能力がなければ、的確な安全規制や広域避難訓練を実施することは不可能

はじめに

茨城県は、広域避難訓練の参考にすべく、原電に対し、『東海第二原発災害評価報告書』(シミュレーションⅠ、Ⅱ)の作成・提出を命じました。

原電『東海第二原発災害評価報告書』の解析条件

シミュレーションⅠに条件
国の審査において妥当性が確認された重大事故等対処設備が機能する場合。
結果
定められた気象条件下において、半径30 km圏内で、空間線量率が、20 μSv/hを超える地域は、生じない。

シミュレーションⅡの条件
半径30 kmまで、避難地域が生じるような仮想事故を想定した場合。
機能喪失
・原子炉隔離冷却系、
・低圧炉心スプレー系、
・高圧炉心スプレー系、
・崩壊熱除去系、
・低圧代替注水系、
・代替循環冷却系、
・外部電源、
・非常用ディーゼル発電機三台、
・代替電源、
・高圧代替注水系、
・フィルタベント、
各々の機能喪失確率は、
・原子炉隔離冷却系(10Λ-3、Λはつぎの記載が上付きになるの意)、
・低圧炉心スプレー系(10Λ-3)、
・高圧炉心スプレー系(10Λ-3)、
・崩壊熱除去系(10Λ-3)、
・低圧代替注水系(10Λ-3)、
・代替循環冷却系(10Λ-3)、
・外部電源(10Λ-3)、
・非常用ディーゼル発電機三台(10Λ-9)、
・代替電源(10Λ-3)、
・高圧代替注水系(10Λ-3)、
・フィルタベント(10Λ-3)、
よって、特に発生確率の小さい「非常用ディーゼル発電機三台(10Λ-9)」を無視すれば、すべてが機能喪失する確率は、(10Λ-3)Λ10=10Λ-30となり、実際には生じず、考えなくて良い想定。

考察

シミュレーションⅡの結果は、無視できる確率10Λ-30であるため、実際には、考えなくて良く、シミュレーションⅠのみ考えれば良い。

茨城県は、同報告書の記載内容に拠り、広域避難訓練の具体的な考え方と実施手順が理解できたものと思う。
現実的には屋内退避のみで対応可能。
茨城県は、原電に依存することなく、自身で、この程度の解析を実施できる能力がなければ、的確な安全規制や広域避難訓練を実施することは、できない。


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