今日はお金に関する神学論争である「賃貸か持ち家か」について考えてみます。
今日はお金に関する神学論争である「賃貸か持ち家か」について考えてみます。
家を買うかどうかは、一人の人生において頻繁には発生しない論点です。なので大半の人はそれにまつわる知識を持っていません。知識のない人は、知識のある人にヒアリングして意思決定をしていきます。この姿勢自体はGOODです。
しかし、我々大人は、そういう知識のある人たち(不動産会社、司法書士、銀行員など)は、我々が家を買うことで儲かっている人たちであることを理解しておかないといけません(ちなみに、IPOもそうです。証券会社、証券代行、VCなど、詳しい人たちはすべて会社をIPOさせることで儲かる人たちです。そこを理解して付き合う必要があります。結婚もそうかも)。
一見中立的に見える政府も、税制優遇等で持ち家を推奨してきます。景気浮揚のために、家の購入が効果的であると知っているからです。
このテーマは鉄板ネタなので、住宅雑誌などでも定期的に取り上げられています。
これらの住宅雑誌においては、スポンサーの意向に反することは書けないことを理解しておかないといけません。
無論、ウソは書いてありません。家を買うことのポジティブな理由もネガティブな理由も提示しつつ、ややポジティブな方に力点を置く書き方をしています。
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「そんなひねくれたことばかり言っていたら前に進まへんで!」と言われてしまいそうです。
先に結論を言ってしまうと、「人による」としか言いようがありません。例えば資産規模・収入の多寡・家族構成・キャリアの変動性・親の支援の有無などによって結論は変わります。
もう少し細かく見ていきます。
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賃貸のメリットは、その身軽さにあります。
収入の変動・家族構成の変動・キャリアの変動(転職や起業)に応じて家を変えられます。よく子供が巣立った後の巨大な家に老夫婦が住んでいるケースを見ますが、無駄です。でかい家が富の象徴だった時代の価値観の残滓であると思います。
転勤の多い大企業の社員は賃貸が向いています。しかし大企業の社員はよく家を買いますね。そして単身赴任してます。この習慣も前時代の遺物になるでしょう。
不動産価値の下落に人生を左右されないのもメリットです。バブル崩壊後は持ち家の価値下落に泣くサラリーマンがたくさんいました。
逆に、インフレが起きると相対的に負けますので、賃料を払う一方で株式などで資産運用をして資産形成しておく必要があります。
資産運用については、持ち家派がローンを支払った後に不動産という資産を持つことになるので、賃貸派は同等の資産を保有するためにも貯蓄をしていく必要があります。賃貸派の中には、賃料を払うだけで貯蓄をしない人がいますが、それは享楽主義者です。アリとキリギリスでいうところのキリギリスです。そういう人は老後に泣きを見ます。
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持ち家のメリットは、賃貸派のところで述べた裏返しで、資産運用に頭を悩ます必要がないことです。ひたすら借金を返済すればよいです。
中には、ローンを抱えつつ資産運用をする人がいます。ローン金利が低いので、運用利回りで勝てるという考え方です。
運用スキルに自信があるなら良いのですが、数十年にわたり、ローン金利を安定的に上回る運用をするのは至難の業です。10年に一度くらいは、経済危機(近年でいえばリーマン、震災、コロナ)が訪れます。それを乗り越えて、利益を出すくらいの頭脳があるなら、それを本業で使って収入を上げるほうが得策です。
「家を買いたがる嫁とそれに押し切られる旦那」という構図が良く見られますが、それは旦那の資産運用スキルと貯蓄する姿勢に信用が置けない嫁の本能的な選択でしょう。貧乏な旦那は浮気しません。
持ち家派の最大のリスクは、不動産価値の下落です。
価値が高いときのローンを下落した後も払い続けることになります。頭をひねりましたが、このリスクを避けることはできそうにありません。
某不動産会社のCMにあるように、「駅前の不動産は価値が下がらない」という意見をたまに聞きますが、その情報を織り込んだ価格になっているので、すでに割高であると理解すべきです。
逆に、インフレがくれば勝ちです。人生最大のギャンブルに勝つことになります。持ち家派の皆さんおめでとうございます。祝杯を挙げてください。
問題は、そんな最大のギャンブルに、さして詳細な検討をせずに踏み切ってしまう意思決定プロセスです。
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昨今、標準的な家庭というのが減ってきました。「夫は会社員、妻は専業主婦、子供二人、持ち家」という標準家庭でモノを語るのは時代遅れです。
自分の生き方・性格・志向性に沿った意思決定をしていけばよいと思います。
どうしても悩む場合は、ご相談ください。フラットな立場でアドバイスします。無料で。(といいつつ、知り合いの生保営業マンと繋がっていて、生命保険を売りつけてキックバックを得たり・・・・・・しませんのでご安心を)