オーケストラの人を褒め称える文化
我々クラシック音楽ファンにとって非常に印象的なシーンが、村上春樹『ノルウェイの森』にあります。
主人公が直子と玲子さんとピクニックに行って、三人でブラームスのピアノ協奏曲第2番のレコードを聴きます。これを聴いた玲子さんは、「バックハウスとベーム」とつぶやきます。
クラシック音楽ファンでないとわけがわからないセリフです。これは、バックハウスがピアニスト、カールベームが指揮者、オーケストラがウィーンフィルという1960年代の名演奏のことを指します。
この第三楽章冒頭のチェロ