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【アニメ】平家物語第7話「清盛、死す」感想とか解説とか

第7話感想。
前回までの感想は下記よりどうぞ。

第7話ではタイトルのとおり、一代の英雄・平清盛の死が描かれる。
冒頭はびわと平清経、平敦盛の会話から。

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3人の会話で福原から京に半年で帰ってきたことが語られる。
ここから治承4年(1180)11月末から12月頃の話だとわかる。
平清盛は福原への遷都を断念した。
劇中では高倉上皇と徳子の会話から、比叡山延暦寺の反対が還都の理由であったと説明される。
それは大きな理由の一つではあったが、やはり新都造営と反乱鎮圧の同時進行に無理があったと評価できよう。特に後継者で平家の棟梁である平宗盛が平安京への還都を強く主張したことは清盛に強い影響を与えたように思う。
この局面での父への反発は宗盛の唯一といってもいい見せ場なので、ここがアニメで描かれなかったのは惜しいと感じた。

11月26日に安徳天皇が、11月29日に平清盛が平安京へと戻る。
清盛の命令は「一人として残るべからず」。
遷都以前から長く京を離れて福原に本拠を移していた清盛であったが、この時に平安京へと帰還する。
これは清盛が源氏討伐のための戦争指導に本腰を入れたことを意味する。

京に戻った清盛は12月2日、反攻の手始めに「最愛の息子」で軍事的才覚に優れていた四男・平知盛を近江・美濃へと出陣させる。
源氏の反乱の火の手は、東国に続く近江源氏・美濃源氏の挙兵により都の目前にまで迫っていた。
知盛の出陣は前回の富士川の戦いとは違う、明確な平家主力の投入である。
知盛は12月中に近江をほぼ平定し、年が明けると美濃へと進軍する。

続いて蜂起した南都の興福寺を武力追討するため、五男・平重衡を出陣させる。

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重衡の隣には兄・知盛が座っているが、前述した通り、知盛は先んじて近江に出陣しており、この光景はありえない。

12月28日、南都に侵攻した平家の軍勢と興福寺の衝突により火の手が上がり、炎は重衡の想定を上回って東大寺の大仏殿まで焼き尽くすこととなってしまった。
この「事故」は清盛の最大の悪行として歴史に残ることとなる。

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それを受けて京では小松家の一門と敦盛が南都焼き討ちが及ぼす悪影響について語り合う。
そこで資盛が兄の維盛に「我らが何を話そうと南都は元には戻りませぬ」と語る。

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びわに一見、意地悪な態度を取ったり、思い人を追いかけていたり、後白河院と今様を謡ったり、コミカルでヤンチャな描写の多い資盛だが、実は現実主義者で物事の推移を的確に見ているのが面白い。
この資盛の描写は後半の台詞にも繋がってくる。
なお、資盛と会話をした維盛は12月23日に知盛の援軍として近江戦線に出陣しているので、史実ではこの時、京にいない。

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安徳天皇・徳子とびわ。
安徳天皇がかわいい。
崩御した高倉上皇について話を交わす。
高倉院の崩御は寿永5年(1181)1月14日のこと。
劇中では語られないが、これによってやむをえず清盛は後白河院の院政を限定的に復活させることになる。

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清盛の屋敷の場面。
木曾義仲の挙兵についての報告を受ける。
よく見ると後ろの屏風には多数の船と海が描かれていることがわかる。これはおそらく日宋貿易の一層の発展、つまりは清盛の理想の世界が描かれているのだろう。
こういう所がこの作品は本当に細かい。
清盛は報告を聞きながら、「暑い」と語るが季節は冬。
既に清盛は病に侵されていた。

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木曾義仲登場。
劇中でも語られたが、義仲は頼朝の従兄弟ではあるものの、父を源氏同士の内紛によって、頼朝の異母兄・源義平に討たれている。
頼朝には同族としての仲間意識以上に親の敵としてのライバル意識が強かった。
兄・仲家が以仁王の挙兵に参加して戦死しており、自身も信濃にて兵を挙げる。劇中で清盛が報告を受けた時点では、逃亡生活送った信濃から父の拠点の上野にかけて勢力を築いていた。

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治承5年(1181)年閏2月5日、平清盛は熱病に苦しんだ末にその命を終えた。
武士の地位を大きく引き上げた清盛は、最期に武士らしく戦争指導を進める中でその生涯を終えることになった。
劇中での遺言「葬儀はいらない。頼朝の首を墓前に供えよ」は原典の『平家物語』のとおり。頼朝との徹底抗戦を語って亡くなったという。
劇中では最後に後白河院の後宮に入ることを拒否された徳子を案じて亡くなる。単に頼朝への闘争心を燃やすだけでなく、父としての一面を見せて亡くなるのは良いシーンであった。

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父・重盛に続いて祖父・清盛を失った維盛は不安に駆られ、びわに未来を見てこれからどうなるか語るように言う。
前回最後に変わることを望んだ維盛が変われていないことが示される。
そして弟の資盛はここでも冷静で、「先が見えても兄上はきっとなにもできない」と告げる。

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そして資盛は突如「お前の眼の色や琵琶の音色が好きではなかった。もうここにはお前の居場所はない」とびわに語り、春までに屋敷から出て行くよう通告する。
ここは、びわのように未来を見る目がなくても、清盛を失った平家の未来が明るくないことを理解している資盛の聡明さが描かれる。
そして、子供の頃から屋敷で仲良く生活してきたびわの身を案じつつも、資盛は素直に優しさを表現できない。
びわもそんな資盛の心情をよく理解している素晴らしいシーン。
ここは変わることを望んだ維盛と対比するように、弟・資盛の成長が描かれた残酷なシーンでもある。
第4話感想でも書いた通り、この後、重盛の残した小松家は維盛ではなく、資盛が中心となっていくことになる。

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資盛の通告通りに平家を去るびわ。
この頃、平家は知盛・重衡の主力投入によって美濃・尾張のラインまで勢力圏を回復している。畿内周辺はひとまず落ち着きを取り戻しつつあった。

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