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恋愛の話を振られないための5つの方法|デミロマンティックの私に見える世界

デミロマンティック(あるいはアセクシュアルやその他全てのセクシュアルマイノリティ)にとって、恋愛の話を振られることはとてもストレスになる。正直に話せば好奇な目を向けられ、自分が目立たないようにするには作り話で適当に話を合わせる必要がある。いずれにせよ気疲れするから、関係性の浅い状態で始まる恋愛話は、特に避けたい。

私の場合は、飲み会みたいにどう頑張っても自分の力では場をコントロールできない状況でない限り、日常生活で恋愛の話を振られるシチュエーションは、実はほとんどない。

サークルの先輩には、「デミロマ会議に恋愛の話聞くとセクハラな感じがしちゃう」と言われたことがある。友達も、よっぽど恋愛体質な人で無い限りは、私の恋愛話を聞いてこない。

なんでこんな状況になっているのか、自分なりに分析してみたので、恋愛の話をよく振られて困っている、という人がいれば参考にしてほしい。

①自分から恋愛の話を振らない

これに関しては、恋愛の話をしたくない人であれば無意識にやっているのではないかなと思う。最近では、親しくないうちは恋愛のようなプライベートな話は率先して聞かないようにしている人も多い。そういう考えの人であれば、自分から恋愛の話を振らない限りまず話題にならない。私の友達には、ほかの人に聞かれたら抵抗なく恋愛の話をするけど、私には恋愛の話を全く振ってこないという人が多い。

②普段から恋愛の話をしている人に近づかない

デミロマンティックやそのほかのセクシュアルマイノリティにとって、普段からオープンに恋愛の話をしている人には近寄りがたい感じがする。「名前を聞くときにはまず自分が名乗れ」と同じ理論で、自分がフルオープンにしているから、何のためらいもなく相手に話題を振ることができる。たまに、自分がとにかく話したいだけで相手の恋愛事情を探ろうとしない人もいるけど、「こういうこと彼氏にされたら嫌だよね?」「彼氏だったら普通これくらいのことはするよね?」といった具合に同意を求められた日には、「あぁ、、うん、そうだね」という空返事をするしかなく、それだけでも心へのダメージは積み重なっていく。だから、触らぬ神に祟りなし、である。

③セクハラ・パワハラに普段から過剰反応しておく

同僚が「上司にこんなことされた」と報告してきたら「それはセクハラだよ」と指摘し、ニュースを見れば「こんなパワハラ信じられない」と嫌悪感を示すのである。そういうことに敏感で、不快感をしっかり示す人なんだなと伝われば、少なくとも悪意のある文脈で恋愛話を振られることは減っていくと思う。

④フェミニズム・LGBTQに対する関心の高さを日頃からアピールしておく

女性は男性に依存しなくても生きていけること、恋愛の多様性を大切にしたいこと、私はなるべく言葉にするようにしている。例えば、「結婚しても私は絶対に仕事を辞めたくない」と言ってみたり、「恋人」という単語を使ったり、直接的にそういう話題にならなくても、その人の思想みたいなものは、日頃の言動に現れるものだと思う。それで私のもとを離れていってしまう人は、残念ながら価値観が合わなかったということだし、そういう私に共感してくれる人なら、仮に恋愛の話になったとしても、フラットに受け止めてくれるような気がする。

⑤恋愛の話を振られたときは一往復で終わらせる

それでも、突然恋愛の話を振られることはある。学生時代、数人のクラスメイトが集まって話していたところをたまたま通り過ぎたら、「デミロマ会議は彼氏いるの?」と聞かれた。私は一言、「いません」とだけ答えた。質問した人には「ごめん」と謝られた。今年のバレンタインは会社の先輩に「誰かにチョコあげた?」と聞かれた。「あげてません!」と答えたら会話が即終了した。話したくないオーラというのは、意外と簡単に相手に伝わるものである。

最後の方法はおすすめはしないが、わざとそうしようと思わなくても、私から提供できる恋愛の話なんてほぼないから恋愛の会話は続かない。

③も④も、自然に普段から私がしていることだ。

自分に正直に生きていれば、必ず自分と考えの近い人が周りに集まってくる。

自分のセクシュアリティに後ろめたさを持たないことが、結局一番大事なのかもしれない。



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恋愛しない人が浮かない世の中に変える活動をするために使います。エッセイ以外にも小説を書いたり、歌も作っています。