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「女子の意見が聞きたい」と言われるとき|デミロマンティックの私に見える世界

仕事場で、「若い女子」としての意見を求められることがある。

そういうとき、自分が感じたままの意見を言うのにはストップをかけて、みんなが求めているであろう「女子像」になるべく焦点を合わせて意見を言う努力をしている。結果的には、根拠も論理もない、中身のない言葉を並べることになってしまっている。

これは、自分のことを「女子」というカテゴリーに当てはめられたくないという、ノンバイナリー的な発想から来る違和感とも捉えられるけど、私は「デミロマンティック」であることに原因があると考えている。

※デミロマンティック:感情的なつながりを感じる人にのみ惹かれる恋愛指向。Aセクシャルのスペクトラム。

まず、「見た目がかっこいいから好きになる」という感覚が欠落している。そういう人が多いことを頭ではわかっていても、感覚的にはわからない。例えば、CMで俳優Aを起用したら女子は食いつくかと聞かれても、人気があるからたぶんそうなんじゃないかとは思うけど、自分の意見としての「女子目線」の言葉が発せない(これは例えでCM関係の仕事をしているわけではないです)。

恋愛を利用したビジネスというのは明らかに多い。異性にモテるためのファッションやメイク、おすすめのデートスポット、ラブソングの歌詞だってそう。そういったものに抵抗感をおぼえる度に、私が平均的な「女性像」から外れていることを思い知り、私がこの巨大な市場で利益に貢献することはできないと自覚する。

自分自身が女性であることに疑問を抱くことはない。でも、「女性」であるためには、どうしても恋愛の話が切っても切り離せない。

女性は常に男性を求め、男性の目を意識している」という前提で進む話があまりにも多すぎるように思う。

女性が女性を好きになることもあるし、恋愛感情がない人だっているのに。

でも、そんな本音を言ってしまえば、恋愛に必死なところを見せたくなくて隠してるとか、モテない人の言い訳だとか思われてしまう。なぜなら、「恋愛しない人間なんていない」ことになっているから。

恋愛を中心にして生きていない、女子の話にも耳を傾けてほしいと願います。


〜余談〜

「恋愛を利用したビジネスが多い」という下書きをしていたタイミングで、小沢さんがこんなツイートをされていて勝手にタイムリーだなと思ってしまいました。『恋愛・インダストリアル・コンプレックス』、どんな曲なんだろう?

恋愛しない人が浮かない世の中に変える活動をするために使います。エッセイ以外にも小説を書いたり、歌も作っています。