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現実感をとりもどす


「あれ、鈍くなった?」と感じた日


死別の喪失感と、泣くということに頭をフルに使ってしまった結果、悲しみ、孤独以外の感覚が鈍くなってしまったことにある日気づきました。

  • 触っているのに、触っている感覚が鈍い。

  • 人の言っていることを理解する感覚が鈍い。

  • 他人との繋がりを感じる感覚が鈍い。

  • 好きという感覚が鈍い。


これらの症状が出てこわくなり、あわてて調べると「現実感消失症」という症状に似ているなと思いました。ふわふわとした、足元のおぼつかない現実感の無さ、自動思考に囚われて抜け出せないような感覚に、このまま元に戻れないのではと焦りました。


今回はその焦りから色々と調べ、やってみていることをつらつら書いてみようと思います。なにか同じ症状で悩まれてる方のヒントになれば幸いです。


やってみたことその1 マインドフルネス



既に有名ですがマインドフルネスという方法で、「今」を感じることに集中するという作業です(これ調べていくと、スピリチュアルな方面に誘う記事をみかけるのですが、効果として引き寄せとか夢が叶うとかはないですからね笑)。


やってみて気づいたことは、現実感をとりもどすには他のことを同時にせず、ひとつのことに集中することが大事ということ。色々なことを同時にしていると、ひとつのことに集中する時間が短くなり、思考があちこちに散ってしまって、それが現実喪失感を助長させている気がします。マインドフルネスは散ってしまった意識をひとつにする訓練という感じです。


私がやっているマインドフルネスは瞑想ですが、瞑想というと座禅を組んだり、呼吸を深くしたり、目をつむったりというイメージがあるかと思います。それらは儀式っぽさをを盛り上げるようなオプションのような感じで、私は集中しやすいのでしていますが、目的は「今を感じる」ことなので、普通の生活をしながらするマインドフルネスも検索するとでてきますので、やりやすい方法を探してみてくださいね。


私がやっている瞑想の方法

朝、太陽の光を感じながら10分間椅子に座って目をつむり、呼吸に集中します。その時、靴下、または裸足になり、床の冷たさを感じたり、手で接触している足の温度を意識しながらやっています。


はじめると次々と思考は湧いてでてくるのですが、呼吸音に気づいて思考が消えたり、また湧いてくるを繰り返します。終わる頃には呼吸が落ち着いているのがわかりますし、なんだかざわざわして集中できなかったなーという時は時間をあけてもう一度やることもあります。


やっていると、


「ああ今ってここか〜」


と一瞬思える時が何回かあるので、その感覚を覚えとこう!と脳に言い聞かせます。それを繰り返し繰り返しやっていくと、生活していく中で妄想に囚われそうになっても、


今今今!」


と言い聞かせると戻れるようになってきました。
と同時に、触感も戻ってきたように思います。


やってみたことその2 外出


私は小さい頃から机作業が好きだったので、趣味も仕事も机の上で完結するものを選びがちで、なかなか動こうとしない人間でした。散歩などはちょいちょいしてたのですが、基本的に考えるのが好きでしたし、妄想が仕事に繋がるようなところがあったので、神経症になってみてあらためて外の世界のありがたさを感じました。


外に行くと、家の中よりたくさんの「今」を感じられます。当たり前ですが人が動き、風がなびき、温度、湿度を感じ、それが心地よかったり、時に不快であったりします。


でもそれが「今」を感じるということ。


立体的な情報が脳に入ってくることも大事で、ネットや本の世界はイメージ力が刺激されてそれも脳トレになりますが、平面的でもあります。予期せぬハプニングもあまり起こりません。


外に行くと偶然がたくさん転がっていて、時にはハラハラドキドキもありますが、そんな時に、「うわ「今」だなー!」と現実に引き戻してもらえます。

とにかく世界は動いていて、足裏は地面を踏みしめていて、足を進めれば景色は変わるという当たり前のことを意識して、能動的に感じに行くということが大事なのかなと思います。


やってみたことその3 自分をかまう


鏡って見てますか?


私はあまり自分の姿に関心がないのか、手抜きメイクや(顔になにか塗るのがあまり好きではないので、、、)、でかける時、お風呂場にいる時くらいしか見ることはありませんでした。


鏡を見ることで、人は落ち着くのだそうです。自分の存在を認識できるからでしょうか。街でよくガラスに映る自分をちらちらと見る人がいますが、それは見た目を気にしているのかもしれないし、無意識に自分の存在を確認して安心しているのかもしれません。

  • 鏡を見る。

  • マッサージをする。

  • 爪に栄養剤を塗る。


など、前より少しだけていねいに、意識的に自分をかまうようにしていると、自分が存在していることを確認できて「今」を感じやすくなり、自分を大事にできるようになるかな、と試してみています。


やってみたことその4 普段していない行動をする


  • 行ったことのない街、道へ行く。

  • 今までやったことのない、「好き」なものを発見したらやってみる。

  • 笑えたり、ユニークな物をもっておく。

など、ぎゅーっと不安や現実感のなさのことばかり考えて心配してしまう脳には、予期せぬことはじめてのこと笑えること。などをわざと与えてみています。

苦手なこと、勇気がたくさんいることは出来ないですが、ちょっとした変化を脳に感じさせることはできるかなと。



やってみたことその5 人と話す


できればこれを一番先に、なるべく多くやってみていただきたいのですが、コロナ渦ですし、対人ってなかなか難しいですよね。相手の都合もありますし。

でも私の場合、メールやリモートよりも、俄然、「会って話す」が効きました。

脳の司令塔と言われている前頭前野(判断能力や創造性、記憶などを担う)は人と話すことで活性化されるのだそうです。まさに活性化!って感じです。会話ってすごく脳を刺激する行為なんだなと実感しました。

社交が下手なのでしょっちゅう会えるような友達はいないのですが、勇気を出してコンタクトをとったら会ってくれる人がいて、とてもありがたかったです。カウンセリングを利用してはいますが、自分を知ってくれてる人と会うという安心感はまた別物だと思います。大人になってから認知しあっている間柄って貴重なのだなーとしみじみ思うようになりました。


現実喪失感は体が脳の不安定な部分をカバーしようとして起きる症状らしいです。体ががんばってくれてたんですね。私の場合は不安神経症と共にある症状なので、ぴょこっと出たり消えたりしていますが、だいぶ軽減されています。なるべく脳に無理させないように、心配の種を大きくしすぎないようにしないとな、と思っています。


参考図書

世界のエリートがやっている 最高の休息法
――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

久賀谷 亮


イライラしない本

齋藤 孝




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