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日本語教師になる前の事 中華料理店

今週「MATCHA」の「やさしい日本語」のマンガは、中国人を主人公に書きました。コンビニではありませんが、昔、中華料理店で中国人と一緒に働いたことがあります。

厨房には北京出身の男の人、ホールには上海出身の留学生の女の子二人です。私は主にホールの仕事だったので、女の子たちといっしょだったのですが、二人とも非常にまじめで働きものでした。

まだ中国の経済が成長し始めたころで、わたしとしては、特に悪気もなく「上海ってどんな感じ?」と聞いたのですが、「日本と変わりませんよ。大きいビルがたくさんあって」と少し憤慨したように答えられてびっくりしたのを覚えています。日本語もかなり上手で、全身から負けたくないという雰囲気が漂っていました。

一方、厨房の男の人は北京出身でのんびりした感じの人でした。仕事中もしょっちゅう手を止めて話してばかりで、チーフに「あのね、あなたは話しすぎる!話しを止めて、手は止めないの!」と怒られていました。それでもまったく気にせずに話していましたが・・。そして時々姿を消すのです。みんな忙しいのでそれほど構っていられないのですが、「いったいどこに行ったんだ?長いトイレか?」とチーフはよく愚痴をこぼしていました。

ある夏の暑い日、外の大型冷蔵庫に材料をとりに行きました。冷蔵庫の扉を開けると、冷気と共にその中国人がこちらを向いて立っている姿が目に入りました。手には胡瓜。口をもごもごさせながら私を見て、ごく自然に頭をさげました。わたしおもわずつられて頭をさげて「ああ」とだけ言ってと材料をとった後、扉をしめました。そして何もなかったかのように材料を持って厨房に戻りました。

夏の暑い日とはいえ、冷蔵庫の中はかなりの寒さだったと思います。

そこまでしてサボるのか!と逆にその根性(?)に感心してしまいました。

国籍関係なくサボる人っていると思うんですが、完璧に見つからずにサボるのって無理じゃないかと思います。みつかるリスクを考えると普通に仕事してるほうが簡単だとおもうのですが・・それとも私はサボるのが下手、もしくは小心者だからそう思うのかな?

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