シェア
清見 苳子
2020年5月22日 16:51
(朗読)宮沢賢治「くらかけの雪」
宮沢賢治
たよりになるのはくらかけつづきの雪ばかり野はらもはやしもぽしやぽしやしたり黝んだりしてすこしもあてにならないのでほんたうにそんな酵母のふうの朧ろなふぶきですけれどもほのかなのぞみを送るのはくらかけ山の雪ばかり (ひとつの古風な信仰です)
2020年5月22日 17:09
(朗読)宮沢賢治「おい けとばすな」
おいけとばすなけとばすな なあんだ たうとう すっきりとしたコチニールレッド ぎっしり白い菌糸の網 こんな色彩の鮮明なものは この森ぢゅうにあとはない あゝムスカリンおーい!りんと引っぱれ!りんと引っぱれったら!山の上には雲のラムネつめたい雲のラムネが湧く
2020年5月22日 17:24
(朗読)宮沢賢治「高原」
海だべがど おら おもたればやつぱり光る山だたぢやいホウ髪毛 風吹けば鹿踊りだぢやい
2020年5月22日 22:01
(朗読)宮沢賢治「松の針」
さつきのみぞれをとつてきた あのきれいな松のえだだよおお おまへはまるでとびつくやうにそのみどりの葉にあつい頬をあてるそんな植物性の青い針のなかにはげしく頬を刺させることはむさぼるやうにさへすることはどんなにわたくしたちをおどろかすことかそんなにまでもおまへは林へ行きたかつたのだおまへがあんなにねつに燃されあせやいたみでもだえてゐるときわたくしは日のてるとこでたのしくはたら