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言霊

僕はコールセンターなる場所で長く働いていた

言葉とは 時に相手を傷付ける刃のように牙をむく

そうかと思えば、相手を慰め安らぎを与える

コールセンターにおける言葉遣いにおいては
最も重要な心構えがいくつもある

イントネーションやアクセントひとつで
相手に伝えようとすることを
間違えて受けめてられてしまう場合が多々あるからだ

そのことによってお客様を怒らせてしまうパターンも多い
言い方ひとつで
お客様の受け止め方が異なるからだ

僕はハードなクレームを任されることが多くあった
そしてSVさんからの指示により
最終的な着地点を指示される

しかしながら
着地点に持って行くまでの過程が
一番の問題だ

まずは
ご立腹なさっているお客様を
いかにして謝罪し
同じ土俵に上がってもらうかが問題だ

まずは同じ土俵に上がってもらわないことには話しが始まらない

しかも そのクレームは
僕が起こした物ではないから
お客様が何で ご立腹なのか
何がご不満なのか
どういった性格なのか…わからない

前回の履歴をよく読み研究するが
実際に話していないので
わかることは限られている

実際にお客様と話してみて
初めてわかることの方が多い

そこからお客様に合わせた謝罪の言葉
そしてご納得いただき交渉に入る

こんなにも貴重な経験をできた僕は幸せだと感じる
お客様に合わせたリズム・テンポで話す話術
そして最後にはお友達のようになってくださる瞬間がたまらなく嬉しい
ありがとうと言ってくださる瞬間がたまらなく嬉しい

言葉だけでの交渉…
とても難しいかもしれないが
とてもやりがいがある

お客様が怒るには理由があるからだ
それは当社スタッフの言葉遣いが悪い時もある
お客様の勘違いの時もある
理由は様々だ
一概にクレーマーだとひとくくりにするのは間違っている

言葉は言霊
発してしまった言葉は取り消すことができない

自分が怒りを覚えた時 一呼吸置く
すると落ち着くことができる
こみあげた怒りを
何もかも相手にぶつけていい物ではない
相手が妻だったとしても
夫だったとしても

僕はそんな風に思う

この世界が穏やかで優しく
みんなが健康であるために…

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