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桐貴清羽(きりたかきよは)
2021年4月28日 10:37
気がつけば夜が明けていた。カーテンから漏れる光に、汗だくになった彼が照らされて、キラキラしている。あまりにも美しかったので、光を取り込むように、彼の額にキスをした。「悔しいんだ。世に出ている天才たちは、みんな幼少期に苦労している。苦労した奴はその後、例外なく輝くんだ。そういう風に作られているんだろう。どう頑張ったって、普通に幸せに育ってきた僕みたいなやつは勝てないんだよ。だから僕は、平凡