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6/12,13 ダー・ハヌ遠征旅行 中編

朝の8時にレーを出発し、寄り道を挟みながらも、午後5時にダー村(Dha)に到着。

さて、ここでダー村についての説明を。
ダー村には、ドロクパという少数民族が暮らしており、彼らは「花の民」とも呼ばれている。
彼らが身にまとう民族衣装や装身具が、非常に華やかなものであるからだ。
今では、祭事の際にしか民族衣装は見られないらしいが、高齢者の中には普段着として民族衣装を着用している人もいるという。
日本の着物のような感覚なのだろう。
今回ぼくがダー村へ訪れたのは、そんな「花の民」と出会うためであった。


村の入り口にあったゲストハウスにチェックイン。
空いている部屋があるか確認したが、ゲストはぼくだけだった。
荷物を置いて、すぐに村内の散策に出かける。

本当に小さな村である。
険しい山とインダス川の渓谷に挟まれたダー村は、うなぎの寝床のように集落が広がっている。
レーと比べると標高が低いらしく、空気は生ぬるく、日本の春先のような心地よい気候だった。

実は、ダー村に暮らす人々は、「花の民」以外にも興味深い特徴がある。
それは、「アーリア人の末裔」であるということだ。
アーリア人とは、広義でインド・ヨーロッパ系とも言われているが、北インドから中央ヨーロッパにかけて広がる人種の系統である。
その中でも、ダー村の人々は、古代ギリシャのアレクサンドロス3世の遠征軍にルーツを持つと信じられているらしい。
そのせいか、南欧系の顔立ちをした村人が多い。
染色体の影響なのか、特に女性においてその傾向は顕著で、アジア人とは思えないエキゾチックな顔立ちをしている。

井戸端会議をしているおばあちゃんたちを発見。
両側のおばあちゃんが民族衣装を着ている。

この辺境の村は、ラダックの他地域とは言語や慣習が異なるらしいが、チベット仏教の文化圏であることに変わりなかった。

ゲストハウスの裏手には、小さな僧院もあった。

いろいろな動物とも出会う。


6月13日

チャパティ、卵焼き、チャイで軽く朝食を済ませてから、朝の散歩をする。

インダス川のほとりに広がるダー村は、水と緑に溢れた豊かな村だ。
周りを取り囲む荒涼とした山々からは想像できないほど、集落内には綺麗な水が滔々と流れている。

インダス川から引っ張ってきたり、岩山から滲み出たりしている水を用水路に取り込み、洗濯や炊事などに使用している。
まるで飲料としても使用できそうなほど綺麗な水で、実際に用水路の上流にはこのような注意書きがあった。

と言いつつ、その横には洗ったばかりのカーペットが干されている。

ところで昨夜、村を散策した際、集落の端から端まで歩いても2分程度しかかからなかった。
そんなに小さいはずはないので、パッと見ただけでは気づかないような細い道がどこかにあるのかもしれないと思って、注意深く観察していたら、生い茂る木に隠れるようにして細い路地があるのを発見した。
その先を歩いていくと、畑や廃墟が立ち並ぶ集落に出る

この辺りは杏の名産地らしく、杏の若い実がなっている

砂利道をずんずん進んでいくと、幹線道路に出た。

制服を着た子どもたちがスクールバスを待っている。
どうやらこの村に学校はないようだ。

途中、恐ろしい橋がかかっている。

来た道を戻ると、立派な制服を着た少年に出会う。

カメラを向けると、真っ直ぐレンズを見つめてくれた。

バイバイ‼︎

こうして、ダー村での短い滞在が終了。
午前10時に村を出発して、帰路につく。

帰り道の様子は後編に続く。

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