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チェンナイで映画を見た

最近の日本では、インドといえば映画というイメージが強くなっていると思う。
せっかくインドに住んでいるのだからというわけで、映画館でインド映画を見てきた。


インド映画豆知識

本題に入る前に、インド映画に関する豆知識を。
日本では、インド映画のことをまとめてボリウッドと呼ぶ風潮があるが、厳密にいうとこれは誤りである。
なぜなら、ボリウッドというのは、ムンバイ(旧名ボンベイ)で撮影されたヒンディー語映画のことを指すからだ。
つまりボリウッドというのは、インド映画のいちジャンルに過ぎない。

ぼくが住んでいるタミルナドゥ州の公用語はタミル語であるため、タミルナドゥ州で撮影されたタミル語映画が主に上映されている。
タミル語映画は、コダンバッカムという街で制作されることが多いため、「コリウッド」と呼ばれているらしい。

なお、日本におけるインド映画ブームの先駆けとなった『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1998年日本公開)はコリウッドである。


インドの映画館

インド映画に関する蘊蓄を傾けたところで、インドの映画館のレポートをする。

映画大国だけあって、ほとんどのショッピングモールには映画館がついているし、映画館だけの建物もたくさんある。
ぼくはショッピングモールの中にある映画館に行ってみた。

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チケット売り場でチケットを買う。

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値段は150ルピー(225円)。

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手ぶれがひどいが、館内はとても綺麗。
これで200円ちょいだから、最高な娯楽だと思う。

劇場内の写真はないが、座席はふかふかで非常に快適だった。

上映時刻より2分くらい遅れてしまって、慌てて劇場に入ったが、客は誰もいなかったし、そもそも広告すら始まっていなかった。
結局、10分くらい遅れて上映が開始されたが、そこはインドクオリティーといったところなのかもしれない。


Naai Sekar

さて、ぼくが鑑賞した映画はこちら。

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『Naai Sekar(犬のスカル)』という作品。
上映時間は130分ほどのファミリーコメディーだ。

あらすじ
マッドサイエンティストによって遺伝子操作された犬に噛まれてしまったスカルという青年が、だんだん犬っぽくなってしまい、反対に犬の方は徐々に人間っぽくなっていくという話。
スパイダーマンのドタバタコメディー版といった感じ。

↑予告編

インド映画デビューということで、上映時間が短く(130分でも短い方だった)、内容が軽そうなものを選んだ。
タミル語音声の英語字幕だったが、単純なストーリーだったので、大まかな内容は掴めた。
インド映画といえば唐突に始まるダンスでお馴染みだが、この映画にも1箇所だけダンスシーンがあった。

↑ダンスシーンのメイキング映像。

主演男性はややむっちりしている体型だったが、いざダンスとなるとキレキレの動きを披露していてさすがだと思った。


客の雰囲気

インドの映画館では観客も一緒に盛り上がるというイメージがあったが、今回はみんな割と静かだった。
家族連れが多かったので、子どもの笑い声が上がったりはしたが、全体的に落ち着いた雰囲気だった。
コロナで客数の制限がされていて、あまり人が入っていなかったという理由もあると思う。
また、映画のジャンルによっても雰囲気は違うのかもしれない。


休憩時間

上映時間が長いインド映画では休憩時間がある、という話を聞いたことがあった。
今回の映画は2時間ほどだったので休憩はないかと思っていたが、真ん中で10分ほどの休憩時間が設けられていた。
前半の1時間で「起承」、後半の1時間で「転結」といった構成になっていて、最初から休憩時間ありきで映画を制作しているのかもしれない。


上映後

ジャカルタに住んでいた時も、現地の映画館に何回か行ったことがあったが、上映後の劇場内はゴミやお菓子の食べかすが散乱していて汚かった。
しかし、今回はゴミを残していく人はいなくて、キレイなままだった。
インド人の方がゴミに関してはモラルが高いのか、感染症の影響でゴミの持ち帰りが徹底しているのか。
街中はゴミだらけなことを考えると、後者の可能性が高い。


まとめ

まとめるとこんな感じ。

・「インド映画=ボリウッド」ではない。
・キレイな施設でも、200円程度で楽しめる。
・上映時間が130分でも短い方。
・唐突なダンスシーンはやっぱりある。
・2時間程度の作品でも休憩時間はある。
・感染症の影響か、意外と客はおとなしくて、ゴミをポイ捨てする人もいない。

次は、3時間くらいの長さの、激しめの映画を見てみようと思う。

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