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6/12,13 ダー・ハヌ遠征旅行 後編

午前10時、ダー村を出発し帰路に着く。
実はこの時、ぼくは大きな懸念事項を抱えていた。
それは、スクーターの燃料が切れかけていたこと。
ダー村へ向かう道中、思っていたよりもガソリンスタンドの数が少なく、うっかり燃料補給のタイミングを逃してしまったのだ。

ゲストハウスのお兄さんに確認したところ、ダー村から数km離れたところにあるSanjakという集落に行けば、ガソリンを手に入れられるかもしれないとのこと。
というわけで、帰り道にsanjakに立ち寄る。

集落の入り口で第一村人を捕まえて、「petrolが欲しいんだ」と言うと、雑貨屋の前まで案内してくれて、店先でヤギを解体していたおじさんに話をつけてくれた。

おじさんは「ちょっと待ってな」と言って、手にこびりついた血のりを前掛けで拭いながら、倉庫の中に入っていった。
しばらくして、倉庫から顔を出して「petrol finish !」と叫ぶ。
ぼくが途方に暮れていると、「ここから500m先に同じような店があって、そこには在庫があるかもしれない」と教えてくれた。
すがる思いで教えられた店に行き、店主に「petrolはあるか」と確認すると、店の裏手から大きなプラスチック容器を持ってきた。

2L分のガソリンを入れてもらって、何とかガス欠の危機を乗り越えることができたのだった。

帰りは、ひたすらインダス川を遡って行く。

興味深い場面を目撃。
はじめはアトラクションのようなものかと思っていたが、周りを見渡すと違うようだ。

橋がかかっていない地域において、この貧相なロープウェイが川を渡るための唯一の手段で、彼らの重要な生活路なのだった。

軍の検問所があるKhalsiには分岐点があり、ダー村との間には2種類のルートが存在する。

行きは「月世界」で有名なラマユルに立ち寄ったので、南側のルートを採用していた。
そこで、帰りは北側のルートを通ることにした。
地図からも明らかだが、北側のルートの方が距離が短いため、大型バスやトラック、軍用車が頻繁に往来している。
それにもかかわらず道幅は狭いので、対向車とすれ違うたびに渋滞が発生する。

途中、難易度の高いパズルゲームのような立ち往生が発生している箇所があったが、ぼくはスクーターだったので、何とか通り抜けることができた。
あまりにもどうしようもない状況で、写真を撮ろうと思ったが、あまりにもみんなが殺気だっていたので、やめておいた。
一体、どうやって解消するのか見届けたいところだったが、ぼくは先を急いでいた。

北側のルートに関しては、特にガイドブックにも観光情報は書いていなかったので、寄り道をせずに真っ直ぐレーまで帰るつもりだった。
しかし、途中で寄り道せざるを得ない光景を目撃してしまったのだ。

道路沿いに建っていた大きな仏教寺院で何らかの行事が執り行われていて、着飾った人々が集まっていたのである。

民族衣装に身を包んだ人々が集結し、僧侶が演奏する仏教音楽が一帯に鳴り響く。
なかなか壮観であった。

非常に良いものを見学することができた。


それでは、ここでクエスチョン‼︎(某テレビ番組風)

荒野に突然現れる、この建物群の正体は何でしょう?

正解は……



ラダック大学レーキャンパスでした‼︎
こんなところで一体どんな研究が行われているのか、気になるところである。


あとはひたすらアクセル全開で前進し、午後4時頃レーに到着。
観光や食事の時間を考慮すると、5時間くらいのツーリングだった。
かなりぶっ飛ばしたので、往路よりも速く走破することができた。

思ったよりも早く市内に戻ってくることができて、時間や体力が余っていたので、そのままレーの郊外までスクーターを走らせることにした。
坂道をひたすら登っている途中で、ヤギの大移動に遭遇。

ヤギ使いがいて、山の上から麓の集落へ帰るところだったのだ。
ヤギ使いの女性は、ヤギと一緒に岩山を降りていく。まさに人間離れした技術である。

ヤギの大移動を見て満足したので、そのままUターンしてゲストハウスまで帰った。

最後に、遠征旅行中の絶景を何枚か載せておく。
道中、小雨に震えたり、お尻が痛くなったりして、バスにするべきだったと弱気になることもあったが、こうやって写真を見返すと、やっぱりスクーターで良かったと思うのだった。

ダー・ハヌ遠征旅行はこれにて終了。

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