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高山の頂は雲に隠れていて、まるで天から水が降り注いでいるように見えて非常に神秘的だ【Uttarkashi→Janki Chatti⇄Yamunotri】

2024/06/20

ウッタルカシ(Uttarkashi)の爽やかな朝
小さなバスターミナル

ジャンキ・チャッティ(Janki Chatti)行きのバスは、定刻より20分遅れの7時50分に発車した。
次に訪れる聖地はヤムノトリ(Yamunotri)。
この寺院へ行くトレイルの始点が、ジャンキ・チャッティである。

風光明媚な山道を走る。
S字カーブが多く、路面も凸凹しているのでバスはかなり揺れる。
誰かの嗚咽がバス内に響く。

出発から6時間、午後2時にジャンキ・チャッティへ到着。
今日はどこに宿を取るかまだ決めていない。
巡礼路のスタート地点であるジャンキ・チャッティにはゲストハウスや食堂がたくさんある。
一方で、ヤムノトリ寺院の周辺には粗末な宿しかないらしい。
一旦、荷物を持って約5㎞の坂道を登り、午後4時までに寺院に着ければ、暗くなる前に戻ってこれるのでジャンキ・チャッティで宿泊。
それ以降の到着になるようなら寺院の周辺で宿を探すことにした。

腹ごしらえをして、トレッキング開始。

奥深い山の中を登る。
まさに深山幽谷といった趣だ。
ただ、巡礼者の姿は多い。

坂道は舗装されているが、傾斜がまあまあある。
馬や駕籠を利用することもでき、巡礼路は意外と騒がしい。

ヤムノトリ寺院はヤムナー川の源流近くに位置し、女神ヤムナーを祀っている。
ヤムナー川はガンジス川に次ぐ聖河とされており、首都デリーやタージマハルの裏を流れる非常に重要な川だ。

ヤムナー川
ヤムナー川の女神は、インド神話における太陽神スーリヤとサンジュナーの子で、死者の国の王ヤマの妹であるヤミーとされている。ヤムナー川はインド神話の英雄クリシュナの信仰とも関係がある。

Wikipediaより

ところで、ガンジス川というのは英語名で、ヒンドゥー名ではガンガーと言う。
ガンガー自体に「川」という意味が含まれているのか、「ガンガー川」とは言わない。
そう考えると、ヤムナー川という言い方は重複表現のような気がするのだが、どうなのだろう?

徒歩で4つの聖地を回る巡礼者
ヤムナー川

デリーでは汚染が深刻視されているヤムナー川だが、源流の近くは躊躇なく飲めるほどきれいだ。

ヤムナー川の源流を目で辿ると、一本の白糸のように山から滝となって水が落ちてくるのがわかる。
高山の頂は雲に隠れていて、まるで天から水が降り注いでいるように見えて非常に神秘的だ。

目標通り、午後4時に寺院に到着。

寺院の周辺は狭いが、インド人巡礼客でごった返している。
登頂の余韻に浸る隙がない。
うっかりしていると「プージャ(祈りの儀式)をするからこっちへ来い。500ルピーだ」なんて言ってくる人もいて、油断ならない。

ヤムノトリ寺院

ヤムノトリの山頂は3層構造になっている。
最上階にヤムノトリ寺院、一番下に短い参道、そして真ん中が温泉だ。

温泉からは硫化水素の匂いが漂っており、ややぬめり気がある。
無臭だったガンゴトリの温泉とは泉質が異なるようだ。

湯気の上り具合から熱そうにみえるが、お湯の温度はぬるい。
外の気温は低いので、お湯から上がると肌寒く感じる。

寺院に続く参道には数軒の土産物屋か食堂しかない。
寺院周辺は見るものがあまりなく、30分ほど滞在してジャンキ・チャッティへ戻る。

おみこし

午後6時前に下山完了。
3日連続の山歩きで、完全に疲れ果てた。

適当なところでゲストハウスを探しチェックインすると、急に寒気が襲ってきた。
リュックの底からダウンを引っ張り出して羽織る。
この強行軍で風邪を引いてしまったかと心配したが、たらふく夕飯を食べたら復活した。
布団に潜り込むと、一瞬で深い眠りについた。

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