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天使の涙(休職生活)

有り余る時間を何に使うか。元より映画が好きな僕なので、当然「映画でも観てみようか」とまずは思った。そして Amazon Prime のラインナップなどを眺めてはみたのだ。しかしながらどの映画を観ても序盤の数分で挫折してしまう。3分も観ていられない。なぜだろう。

僕が心から本当に観たいと思っている映画は、今こんな状態では観れない気がする。実際観れなかった。集中力や深い考察が要求されるような映画をじっくり鑑賞できる状態ではないし、今は喜怒哀楽の感覚が鈍っているので、アホみたいな映画を笑い飛ばすことも難しい。

だからもう映画はいいや、と思っていたのだけど、先日担当医から「自宅じゃなくてもいいので、あなたが一番落ち着く場所にいてください。」と言われたことを思い出した。僕にとって一番気持ちが落ち着く場所。それはきっと「映画館」だろう。本当は川とか海とかぼーっと眺めていたいのだけど今年の夏は暑すぎるので野外はしんどい。

そんなわけで池袋の文芸坐に行ってみた。上映作品は「天使の涙」。ウォン・カーウァイ特集やってるようだった。ちなみに「天使の涙」は20年以上前にシネマライズのロードショー公開を観ているけれど、今も昔も一貫してウォン・カーウァイにはほとんど興味が無い。クリストファー・ドイルのカメラも好きじゃない。当時「天使の涙」を観に行ったのもカレン・モクが観たいという目的だけだった。チラシがカレン・モクだったからてっきり主演だと思ってたのに中々出番が無くてイライラしたことだけ覚えている。ストーリーは何も覚えていない。

要するに僕はこの映画に対して関心が無いのである。そして関心が無い映画の方が、今の僕には都合が良いような気がした。

映画館で過ごす時間はやっぱり落ち着く。平日ということもあって座席に余裕があるのも良かった。でもウォン・カーウァイはもういいかな。

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