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エレニの帰郷

[2014年1月25日の日記] ※前回の記事からぴったり2年後

2014年、初鑑賞の映画はアンゲロプロス作品、しかも劇場ロードショー。東映がアンゲロプロス作品を配給するとは時代が変わったものだなあ。でも配給協力としてフランス映画社が名を連ねていて、どこかほっとした。

テオ・アンゲロプロスの命日は、Wikipedia で見ると1月24日となっているけれど、これは現地時間の日付。亡くなられた時刻が不明なので断言はできないけど、ヨーロッパとの時差を考えると、今日がアンゲロプロスの命日と考えてよいだろう。

その命日にアンゲロプロスの遺作「エレニの帰郷」を鑑賞する。劇場の外には簡単な献花台が用意されていて、ついじっと写真を見入ってしまった。映画館が用意したと思われる花を一本、僕も写真の前に供えてきた。

アンゲロプロス作品にしては珍しく有名な俳優が沢山起用されていて、劇中の会話もほとんど英語のため最初は違和感があった。けれどやっぱりこれはアンゲロプロス作品だった。イレーヌ・ジャコブはキェシロフスキの遺作「トリコロール 赤の愛」でも、アンゲロプロスの「エレニの帰郷」でも主演か。何か因縁めいたものを感じる。

原題は「The Dust of Time」。「エレニの帰郷」という邦題はどうなんだろう。「エレニの旅」に続く三部作の二作目だし、主人公の名前もエレニだから違和感は無いと言えば無いんだけど。原題に対するリスペクトが感じられない。「時の埃」でよかったんじゃないかな。

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