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PFPS(膝蓋大腿疼痛症候群)〜トリートメント〜

こんにちは、BORDERLESSのTakです。
今回は、引き続きPFPS(膝蓋大腿疼痛症候群)をテーマに、
実際の臨床現場でのトリートメント方法をエビデンスを織り交ぜながらご紹介します。

まずは評価から…

①『Moyano, F. R., Valenza, M., Martin, L. M., Caballero, Y. C., Gonzalez-Jimenez, E., & Demet, G. V. (2012). Effectiveness of different exercises and stretching physiotherapy on pain and movement in patellofemoral pain syndrome: A randomized controlled trial. Clinical Rehabilitation.』

こちらの文献では、大腿四頭筋、ハム、下腿三頭筋、ITB、股関節屈曲筋群を30秒×3回のストレッチでROMが改善され、PFPSの疼痛が緩和されることが示されています。

②『Espí-López, G. V., Arnal-Gómez, A., Balasch-Bernat, M., & Inglés, M. (2017). Effectiveness of Manual Therapy Combined With Physical Therapy in Treatment of Patellofemoral Pain Syndrome: Systematic Review. Journal of Chiropractic Medicine.』

またこちらの文献では、パテラのモビライゼーションがPFPSの疼痛を緩和することが示されています。

これらの文献の内容から、私は評価で下記の項目を行っています。

<仰臥位>
・仰臥位での脱力時のExtension Lag
(Quad、膝蓋下脂肪体周囲、Ham、内転筋郡、ITB)
・ヒールスライド:膝ROM(Quad)
・他動でパテラの上下内外方向へのモビリティ
(Quad、膝蓋下脂肪体周囲、ITB、縫工筋)
・股関節の多方向へのモビリティ
(Quad、腸腰筋、内転筋郡、殿筋郡、Ham、ITB)

<伏臥位>
・HBD,HHD(Quad、下腿三頭筋)

上記の評価でStiffnessやTightnessがあったところを中心にトリートメントを行います。

もし原因と考えられる部分をアプローチしても状態が向上しない場合は、拮抗筋や共同筋をアプローチします。

具体的なトリートメント順序は、以下となります。
1:(主動筋)Quad、四頭筋腱(QT)、膝蓋腱(PT)、膝蓋下脂肪体周囲
2:(拮抗筋)Ham、膝窩筋
3:(共同筋)殿筋郡、下腿三頭筋、内転筋、後脛骨筋、ITB、腓骨筋

私は主にマッサージ(スポーツマッサージ)でトリートメントを行っています。私は、いわゆるあん摩・マッサージ・指圧に則った方法のどれかに絞った施術は行っていません。

また、
『Ma, Y., Li, L., Han, Q., Wang, X., Jia, P., Huang, Q., & Zheng, Y. (2020). Effects of Trigger Point Dry Needling on Neuromuscular Performance and Pain of Individuals Affected by Patellofemoral Pain: A Randomized Controlled Trial. Journal of Pain Research.』

こちらの文献では「大腿四頭筋のトリガーポイントへの鍼治療による疼痛緩和」が示唆されています。こちらを参考に、状況に応じて鍼によるアプローチを行っています。

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