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経営者はまず道徳の本読んでください
朝日新聞にはドヤ顔の経営者が愛読書を紹介するコーナーがある。
『孫子の兵法』『リーダーシップ』『人を動かすマネジメント』……
さすが経営者。紹介されてる本は普通の人が読まない難しいものばかり。
でも、私は思う。
経営者はそんな本ばっかり読んでないで、まず『なかま』みたいな道徳の本を読んでほしい。小学校低学年で読むようなやつ。
意識の高い社会人や経営者は「立派な社会人」を目指して行動する。それに合わせてこんな難しいビジネス本を読む。
でも、本当に目指すべきは「立派な社会人」じゃなく「立派な人間」だと思う。
人間としての生き方を学ぶには、道徳の本が一番シンプルでわかりやすい。
書いてあることは
「あいさつをきちんとしましょう」
「困っている人がいたら、助けてあげましょう」
「人をダマしてはいけません」
「人の嫌がることをしてはいけません」
このようなこと。
「当たり前じゃないか」と思うかも知れないけど、一体どれだけの社会人がこれらのことをできているのだろう。
「立派な社会人」を目指している人は
コミュニケーション能力
プレゼン能力
論理的に話す力
リーダーシップ
こんなところばっかり鍛えて、道徳の本で説いてるような「人間として当たり前のこと」が疎かになってないか、と私は思う。
職場いじめ、見て見ぬフリ、従業員をダマす、365日24時間死ぬまで働かす、足の引っ張り合いをする、相手をおとしめる、暴力をふるう、人格を否定する、自分の考えを押し付ける、人の話を聞かない……
こんな社会人、経営者が多い。多すぎる。
「ビジネスマナーは相手への思いやり」。こんなこと言うけど、沢山の社会人と接していると「相手への思いやり」というより、「自分をよく見せる」のが目的なのだと思えて仕方ない。
「ワシ、ビジネスマナーしっかりしてまっせ、謙虚でっせ、名刺も丁寧に扱いまっせ、信頼できる社会人でっしゃろ、だから契約してや」みたいな感じだ。「相手より、デキる人と思われたい」こんな気持ちが丸見え。
だから話をしていても、まったく面白くないし、冷たい感じがする。こんな人はいくら上っ面が良くても中身がなく、すぐにわかる。鼻につく。
これと対極にいるのが、「地元の食堂の女将さん」だろう。マナーもへったくれもないが、気持ちの良いあいさつをしてくれるし、相手の話をしっかり聞いてくれる。接し方にすごく「思いやり」を感じる。
女将さんは「社会人として立派」じゃないのかも知れないが、相手を気持ちよくさせるという点では「人間として立派」だ。
経営者は「多くの社会人が憧れる人」。
そんな人こそ、「立派な社会人」じゃなく「立派な人間」であってほしい。
だから、道徳の本を読んでほしい。人間としての基礎が載ってる。
それからだ。「立派な社会人」を目指すのは。
偉そうなこと言ってる私も全然できてねえけどな。
働きたくないんです。