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授業のゴールはどこにあるか


夏休みになって、今まで以上にじっくり物事を考えられる時間が増えましたね。こんな時だから「教材研究に打ち込もう!」という方もいるんじゃないでしょうか。

教材研究の最初はゴール設定から



さて、教材研究するときって、どんなこと考えてますか?僕は手短に済ませるときは教科書や指導書・年間計画を参考に大まかな授業のゴールと道筋を考えるくらいです。


もう少し力を入れるときは、指導要領の該当箇所を読み直したり、解説を読んだりして、自分が目指したい姿を想定して授業準備にかかります。

そうすると、例えば「一桁+一桁の繰り上がりのあるたし算の計算の仕方を理解することができる」という授業のゴールが出来上がるわけです。

だけど、こういう教材研究ってつまんないなあ、というのがここ最近思うこと。「繰り上がりのたし算」って、大人になっても使うし、少なくとも義務教育の間はずっと使うけど、そのためにやってんの??って思うんです。

確かに計算力は大事。だけど…テストでいい点数とるために授業してるわけじゃないですよね。なんのためにこの授業はあるんでしょ?って「そもそも」を考えるようになりました。

授業のゴールの先には、教師の想いが



教育基本法第一条には、「教育は人格の完成を目指し……」と書かれているのは基本中の基本。そのための手段が指導要領であり、教科書であり、授業であるわけです。


ということは、「繰り上がりのたし算」ができる先に、どんな人になってほしいか、というイメージがあるのとないのでは、授業の質が大きく変わります。

僕だったら、「繰り上がりのたし算」ができるようになることで、「やればできるんだ!」と自信をつけてほしい。そして、自分のやったことないことにも、チャレンジしていこう!と思える人になってほしい。一人で無理な時は、周りの人に頼ることができる人であってほしい、と願っています。

教材研究は、自分の未来を見つめること



授業のゴールから視座を高めていくと、こんな願いが僕の奥底にあって。だから、どう授業を設計するか、どう声をかけていくか、に自分の想いが表現されていくんですね。

教員を10年近くやっていますが、こういう視座が持てるようになったのは、ほんと最近のこと。そして、忙しさにかまけていると、高い視座を持つことも忘れてしまいます。だけど、ここを意識して授業を行っていく、子ども達の反応も変わり、「学びの深い」授業になっている感じがします。

ずっと目の前のことしか見えていなかった僕も、「なんか教材研究がもやっとするな……」の奥を探っていくとこの視点に気づくことができました。時間と気持ちに余裕のあるこの時期だからこそ、1教科、1単元、1時間だけでも、考えてみませんか。教材研究することが、自分自身の教育観を、自分が描く未来を考えることにもつながっていきますよ!

もう少し詳しく知りたい!という方は、こちらの本もおススメです。普段の自分の授業を見つめなおす視点が見つかる良書です。


「授業を見つめなおす心の余裕もない…」という時に、自分を大事にするための本


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