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「当たり前」ではなく、「ありがとう」

 マネジメントセミナー第4回が終わりました。今回の中心は「「ありがとう」という感謝の心」。色々あって落ち込んだ中での受講でしたが、「感謝」を忘れていることに思いを巡らせました。

感謝の心は、想像力から

日常六心の三番目。「ありがとう」という感謝の心。
有名な話ですが、「ありがとう」の反対は「当たり前」ですよね。「有ることが難しい」から、「有難う」なわけで、ありふれているものは、「当たり前」になってしまっている。
 
だけど、よくよく考えてみると……今、こうしてこの記事を書けているのは、何十年も前に「パソコン」を発明した誰かがいたおかげだし、「インターネット」を考案した人がいたおかげ。さらに、「パソコン」や「インターネット」を動かすためには、電気が必要で、電気を作っている人、届けている人、保守点検いしてる人がいるからだし……って想像力を働かせると、今ある一つ一つが、当たり前じゃなくなってくる。
 
だけど、普段は「当たり前」と思って無意識なんですよね。「インターネットが使えて当たり前」「電気が使えて当たり前」とか。普段見えないところの奥を想像できる想像力があるからこそ、感謝って生まれるんですよね。

この「想像力」をはぐくむには、体験と知識が必要だよなあ、と思います。何もないところから想像するって難しいでしょ!だから、社会科の工場見学とか、お店の裏側探検みたいなのって必要なんだな、と思い直しています。実際自分も、6月から新居に住んでいますが、できるまでの過程をずっと見ていたから、家にあるもの一つ一つに感謝の念が湧いています。アパート暮らしの時は思ったことないのに!(笑)
 
このセミナー直前に大きなトラブルがあったんですが、ここでも「当たり前」と思って感謝を持てていなかった自分がいたからかな、なんて思います。「俺がこうしたいんだ!」「俺の世界を創るんだ!」が強くなりすぎて、わがままになってしまっていたのかも。背景を想像する意識、忘れていたのでしょうね。

主体性があるからこそ生まれる、「ありがとう」

話は変わって、昨日一昨日と、都内某公立小学校の先生の働き方特集がweb記事に気刺されていました。記事に見えているだけでも、子ども・保護者・同僚のことを思う気持ちが伝わり、真摯な取り組みに「まだまだやれるぞ!」と刺激をもらいました。
が!ネット上のコメントは8割ぐらい否定的だったのかな(笑)「この人は特別だから」「周りの人はどう思ってんの?」「ウチの職場じゃこんなことできないよ」も含めて、色々と……ここに先生の働き方改革が進まない理由が見えました。
 
記事に書かれている方は、「限られた中で自分のできることを最大限にやる」という主体性のある方。否定的コメントの方は、「俺じゃ無理だから、お前ら何とかしろ!」と言っている受動的な方なのでしょう。記事の先生は、教師という仕事の時間を最大限生かしつつ、感謝を持って仕事している様子が伝わってきました。
 
自分がやりたいことをやれているのは、周りの方の理解と協力があってこそ。これは自ら動かないと気が付けないことだし、自分自身も、周りの方々が協力して下さる背景を想像し、感謝できる人であろう、気づかせてもらいました。

平家物語にあるように、諸行無常、全ては移ろいゆく世の中。今あることに感謝して、感謝のエネルギーを広めていく。「はい」と素直な心で覚悟を決めて行動を起こし、過ちには「ごめんなさい」という気持ちで自らを省みて改善する。だからこそ、今あること、今じぶんができることは当たり前ではない、と「ありがとう」という感謝の心が生まれるんだよなあ。

全ては、比較でしかわからないけれど

こう書きながら、自分の中に「感謝」への意識が薄れていた最近だと思い返しています。僕が本を書いたり、学びに時間とかけられたり、職場で好きなことをさせてもらえているのも、周りの方々の協力があってこそ。見えるものも、見えないものも、自分は受け取っているんだ、ということに気づかされます。

サラリーマンを退職する直前、どん底で真っ暗闇にいた時。食べ物の味も分からないくらい疲労困憊だった時に食べた、マグロ丼の味だけ、今でも鮮明に覚えています。どこのお店かもわからないけど。食べ物の味がわからない、という状態だったからこそ、余計に美味しさとありがたさがあって。

今ある生活も、「なかった」という状況を経験しているからこそ、ありがたさに気づけているのであって。「電気がない」「インターネットがない」「水がない」も、ある状態と比較できているから、ありがたさに気づけるのかな。

人はついつい何かと比較してしまいがちだけど。比較する、という認知機能があるからこそ、見えてくることや、感じられることもあるんだろうな。
そんなことを考えた、第4回のセミナーでした。

本を出させてもらったことへの感謝を込めて。


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