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先を照らす人、跡を確認する人、二人一組はミスが少ない。忍者を見つける信頼関係【義盛百首 忍歌70】

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「蟠りつけは 段々に行き 回るこそ 敵の忍びを 見つくると聞く」
忍歌 義盛百首 第七〇首

【現代語訳】蟠(かまり)つけは、段々に距離を取り回ることで敵の忍びを見つけられる

【解説】夜回り(夜の巡回警備)から段々に距離を置き警備がついて回る事で、敵の忍びを発見する事ができる。これを「蟠りつけ(蟠りを見つける)」という。明かりを持った夜回りから距離を取り蟠りつけを行い、さらにその後ろに次の夜回り、その後ろに蟠りつけと段々になって巡回すれば敵の忍びを発見でき、また簡単には忍び込めないというプレッシャーを敵に与えられる。

【超訳】先行して物事を行う人、その後ろについて粗を直す人、二人一組で取り組むとミスが少ない。このポイントは二人が並んで同じ作業をしないこと、作業は先行する一人を信頼して任せ、もう一人が客観的に様子を見て粗を見つけたら補正する。後ろの一人は先行する人に間違っていることを伝えて修正させるのではなく、補正があくまで自分の仕事であることを理解して黙して取り組む。

後ろの人は先行を信頼して大丈夫だと思いながらも、人は完璧で無いことを理解し僅かなミスを正して先行をサポートする。先行は信頼されていることを自覚し、信頼されるよう働きで示し、万が一のミスは後ろが何とかしてくれると信頼を置く。互いに信頼して目標に向かうと物事がスムーズに進み、また失敗にも対処しやすい。

68〜70首は全て「蟠りつけの習い」についてだが、第68首は習いの概要、69首は蟠りつけのやり方、70首は人員の配置について、それぞれポイントを説いている。


義盛百首とは…
伊勢三郎義盛に仮託し作られた忍者の心得を読んだ計百首の歌。伊勢三郎義盛は伊賀出身で、源義経の配下で忍者として活躍したとされる。義盛百首は忍歌と呼ばれることもあり、軍法侍用集や万川集海などの忍術書に登場する。


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