刑罰・法律は抑止力であり、実行することに意味はない【忍者の技と知恵 #50】

忍術秘伝書「万川集海」には、禁忌三箇条として、忍者を運用する上で必ず守らなければならない厳格なルールが3つ定められています。1つ目は「忍者という職業を隠す」2つ目は「忍者の謀略は秘密にする」でした。

最後の禁忌三箇条3つ目は「忍者の謀略を漏らした人は死罪」です。忍者の仕掛ける謀略・計略など作戦は極秘事項であり、極秘であるからこそ高い効果を発揮できるものでした。その極秘な作戦を耳にし、他人に話した場合、話をした人と話を聞いた人は情報を守るために即時死罪とされます。さらにこれを再発防止のために見せしめにします。

国家レベルでの重要事項を守るため、秘密を漏らした場合の刑罰を厳格に定めます。刑罰・法律はそれを実行することに大きな意味はありません。なぜなら実行した時点で大きな損害を受けているからです。法があることを示すことで人が道を間違えないようにすることに本当の意味があります。武器を持ち、それを相手に見せることで抑止力になるのと同じ原理です。

【忍者の技と知恵】は毎週 月・水・金曜 朝8時ごろ更新！『図解 万川集海』を元に、忍者の技と知恵をお届けします。

図解忍術秘伝書 万川集海 第一帖: 序・正心編 （図解 万川集海）

万川集海とは
『万川集海（ばんせんしゅうかい／まんせんしゅうかい）』は伊賀甲賀49流派の忍びの術、古代中国や日本の謀略家・名将軍の技と知恵を結集し、悪しきものを捨て良いものを厳選し集大成した全21巻に及ぶ忍術秘伝書である。
万の川が集まり大海となるように、数多の術を結集したことから名付けられる。

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