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ターゲットの自然な姿「素」を引き出す重要性。忍者の捜査テクニック【義盛百首 忍歌57】

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「科人の 跡を慕(した)いて 目付けせば 姿を変えて 人に知られな」
忍歌 義盛百首 第五七首

【現代語訳】科人(とがにん)の後をつけて監視するときは、変装をして気づかれないようにする。

【解説】科人とは犯罪者のことだが、ここでは被疑者や調査対象の標的も含める。江戸時代、忍者は戦がないので屋敷番(警備)や同心(警察)の仕事が多くなり、犯罪捜査も行うこととなる。目付け(監視役人)という諸藩の役人の働きを調査監視する任務もある。監視はターゲットに気づかれないことが大事で、標的の普段の姿を調べなければならないから。武士の格好で目付けに行けば警戒されてしまうので他の職業に変装して近づき素を引き出す。

【超訳】相手の自然な姿「素」を引き出す重要性。コミュニケーションにおいてかしこまった礼儀ではその人の性格が見えない。趣味の話や愚痴などの雑談から相手の素を垣間見ることで、その人の長所や短所が知れる。これは探っているように感じさせず、自然に話が運べるようにする。何か意図があるなと気づかれた瞬間、相手は心を閉ざしてしまう。マーケティング調査や製品テストでも、ユーザー(顧客)の自然な姿を引き出すことが正確なデータを集めることに繋がる。


義盛百首とは…
伊勢三郎義盛に仮託し作られた忍者の心得を読んだ計百首の歌。伊勢三郎義盛は伊賀出身で、源義経の配下で忍者として活躍したとされる。義盛百首は忍歌と呼ばれることもあり、軍法侍用集や万川集海などの忍術書に登場する。


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