見出し画像

良い仕事ほど気づかれない…忍者は人に気づかれないようにして働く【義盛百首 忍歌52】

画像1

「日月に 向かいし時は 影も無し 後ろ光(びかり)は 影ぞあらわる」
忍歌 義盛百首 第五二首

【現代語訳】太陽や月に向かっている時は影は無いが、光を後ろから受けると影が表れてしまう。

【解説】敵の城や陣地、屋敷に忍び込む時は日・月・照明に向かって進む。光源に向かっているときは影が自分の後ろに現れるので敵に察知されない。逆に光源を背にすると影が自分の前(進行方向)に現れてしまい、敵に自分の存在を察知される危険性がある。影は自分の存在を間接的に示すもの、現実の忍びは煙に巻いて消えたり、透明化することはできないので必ず影が生じてしまう。自分の存在を消して行動することが忍びには大事である。

【超訳】人に気づかれない仕事をする。物事が順調に動いているときは誰も気に留めないが、問題が発生して動きが止まると気づかれるもの。つまり人に気づかれるような仕事は雑みがあり、問題が発生する危険性を含んでいる。人間の体で言えば健康な時は気にしないが、怪我をしたり風邪をひいたりすると急に体調を気にしだす。自然の変化もそうで、植物の成長や四季の変化は誰がやったとも知れず気にしないうちに行われ人に恵をもたらす。万川集海に巧みな忍びの働きは「音も無く、匂いも無く、智名も無く、有名も無し、その功天地造化の如し」とある。


義盛百首とは…
伊勢三郎義盛に仮託し作られた忍者の心得を読んだ計百首の歌。伊勢三郎義盛は伊賀出身で、源義経の配下で忍者として活躍したとされる。義盛百首は忍歌と呼ばれることもあり、軍法侍用集や万川集海などの忍術書に登場する。


🥷忍者の思考と精神を身につけるべく、日々修行を行ってますので見届けてもらえると幸いです。あとお仕事のご依頼もお待ちしております🙇‍♂️。サポートは兵糧(ひょうろう)に使わせていただきます。 WEB:https://shinobi-design-project.com/home