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周りを信頼して自分の仕事に専念する。忍者のチームワーク【義盛百首 忍歌66】

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「騒がしき 事ありとても 番所をば 立ち退かざりし 物とこそ聞け」
忍歌 義盛百首 第六六首

【現代語訳】外で騒がしい事があっても番所を出てはならない

【解説】事件が発生して騒がしくても、所定の番所(警備待機所、ここでは警備担当エリア)から無断で動いてはならない。自分の警戒任務に専念して、騒ぎは騒ぎの発生した場所の警備を信頼して対応は任せる。同様に、自分の担当エリアで発生した事態はエリア内の人員のみが対応することになるので気を引き締めなければならない。但し上官の指示があれば騒ぎの対応に駆けつけることもある。

万川集海にも「警備は敵襲や火事があっても担当のエリアを上官の指示なくして無断で動いてはならない。担当エリアの警戒に専念すること。敵襲に対してはそのエリアの警備と本陣からの増援が対処する。火事の場合は消火部隊が対応する。別途上官の指示があればそれに従う」という。不意の敵襲や火事は敵の陽動作戦(水月の術)の可能性があるので、不用意に警備が動くと敵の思う壺になる。

【超訳】自分の仕事に専念する。チーム仕事の場合、それぞれの人に与えられた別々の仕事がある。それぞれが仕事をやり遂げることで歯車が噛み合って大きな事業を成り立たせる。このことを理解せず、不用意に人の仕事に口を出し、お節介にも手伝うのは自分の仕事をおろそかにし全体としての目標達成に繋がらない。客観的に物事を観て、仕事の構造を理解し、自分の役割を認識してそれぞれがやるべきことをしっかりやる。周りを信頼し、自分の与えられた仕事だけに取り組む環境は、無駄な気や労力を使うことなく目標達成ができる。


義盛百首とは…
伊勢三郎義盛に仮託し作られた忍者の心得を読んだ計百首の歌。伊勢三郎義盛は伊賀出身で、源義経の配下で忍者として活躍したとされる。義盛百首は忍歌と呼ばれることもあり、軍法侍用集や万川集海などの忍術書に登場する。


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