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アメリカ合衆国の歴史を大人になってから教わった(1/3)今までの教育はなんだったんだ?

早速noteの目的であるラテンアメリカから話は逸れてしまうが、これは個人的にとても衝撃的だったので記事にすることにした。

白人至上主義国家が目標だったアメリカ合衆国建国

私は物心ついた時からアメリカにいて、地元の幼稚園、公立小学校に通った。小学校の途中で家族と日本に引越してからは、東京のインターナショナルスクールに通った。アメリカ認可の学校でカリキュラムもアメリカで行うものだった。その後大学はアメリカの美術大学に進学した。

そんなわけで教育課程ではアメリカの歴史をたくさん習った。小学校低学年はサンクスギビング(感謝祭)について学んだ。アメリカに最初に来たイギリス人たちが「インディアン」に助けられ、感謝のお祝いに一緒に楽しく食事をした、と教わった。そして定番の、画用紙に手の形をなぞって切った七面鳥の工作をする。

小学5年生のときはGeorge Washington's Socks(ジョージ・ワシントンの靴下)という歴史ファンタジー小説を元に米独立戦争について学んだ。現代に住む少年たちがタイムトラベルしてワシントンの軍隊と出くわす内容。寒そうにしている少年の一人にワシントンが自分の靴下を「どうぞ」と渡した。ワシントンは心やさしい英雄だから。

どこかで奴隷制度と南北戦争の話も通った。奴隷制度時代はハリエット・タブマンという元・奴隷だった女性「地下鉄道」で何人ものアフリカ人を自由へと導いた。なんだかんだしている内に、リンカーンという良い大統領が現れ、奴隷なんてけしからん!と言って黒人を開放すべく動いた。なんだかんだしている内にローザ・パークスとマーチンルーサーキング牧師が現れて黒人の権利のため社会運動を起こした。おかげで今は人種差別が、、、ないよね!はい、みなさん、人種差別は良くないです!(汗)

。。。という感じの教育を受けた。

私は今南米の大学院でラテンアメリカのフェミニスト・アート・アクティヴィズムについて修論を書いている。自分が通っているのとは別の地元の大学でちょうど、米国ブラック・ライブス・マターのアクティヴィストであるマイケル・ベントー氏がアメリカの黒人運動とアート表現について集中講座を開くと聞いて、個人的な興味と修論テーマにも関係することから受講することにした。

1回目の授業から「目から鱗」では表現しきれないほどの内容だった。私が今まで受けたアメリカ合衆国の歴史は、良く言って「内容をディズニー化したもの」。正直に言うのであれば「フィクションの一歩手前」「プロパガンダ」。それは単純に「教えなかった(隠された)歴史的事実」があっただけではなく、「教える事実をどのように意図的に加工していたか」が問題である。

結論から言うと、一般的な授業で教わるアメリカの歴史はだいたいこんな前提で伝えられる:自由を求めた勇敢な挑戦者たちがあらゆる逆境を乗り越えながらも理想を掲げ、世界一自由で革新的で強い国を建国した話。

しかし見方によっては、「世界一の白人至上主義国家を目指した白人と、奴隷として連れて来られたという世界一の至難を乗り越え、その力で先進的な人権意識と自由を提示してくれたアフリカ人とその子孫の話」が見えてくる。

アメリカはたくさんの虐殺と差別で成り立った国だと認識していたものの、なぜもっと早くに、もっともっと歴史の形成を疑わなかったのだろう。そして、よくもまぁここまで事実を歪曲したものを堂々と学校で教えてるな。

記事ではベントー先生の集中講座第一回目で習った年表を紹介していく。ただ歴史的出来事を並べたただけだ。しかしもはやそれだけで、アメリカの生誕はある意味白人至上主義ありきであることはわかり、アメリカに自由と民主主義をもたらしたのは誰なのかが見えてくるだろう。

アメリカ合衆国の歴史を大人になってから教わった(2/3)17世紀から19世紀まで