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お月さまのネアリカ

まず、ネアリカ(Nierika)とは。

簡単に説明すると、ネアリカはメキシコの先住民「ウイチョル族」の伝統的なアートである。蜜蝋を塗った板に、毛糸を並べて貼り付けていく。

ウイチョル族のシャーマンは、巡礼に出て、幻覚剤であるサボテンを取りに行く。断食をして空っぽのおなかに、幻覚サボテンを摂り入れる。(ものすごく不味いらしい)

それによって見えたビジョン(幻覚)を毛糸で表現していく。だからこれは、宗教儀式であり、精霊や神からのメッセージのようなものだ。

本来のネアリカはこういうもので、「この世とあの世をむすぶトンネル」とも言われているらしい。だからネアリカを作るときは、できるだけ計画せずに、うまく作ろうとか、やり直そうとか、そういう自分の自我を捨てて、作ると良い。


【ネアリカ2枚目】

おばあちゃんお月さまのネアリカ。
私が作った物語の1場面を絵にした。

キャベツの妖精のお話。この世界には祈りの歌の時間があり、必ず全員がその儀式に参加しなければならない。これは掟である。

その掟を破る者は、自分の葉を1枚ちぎられる。すべての葉をちぎられたキャベツは、死ぬという言い伝えがあるのだ。

祈りの歌。お月さまへの祈りの時間だ。お月さまは、穏やかでみんなを見守ってくれるような、慈愛に満ちたおばあちゃんのお顔。

一説によると、アメリカインディアンは、お月さまをおばあちゃんとする考え方がある。「母なる大地」は日本人にも馴染み深い。祖母なる月、祖父なる太陽、母なる大地、父なる空。兄弟の鳥たち。姉妹の花々。どこまで確かかは分からない。

インディアンは、生理(ムーンタイム)の女性には、力が宿ると言われていて(月の周期と生理の周期は似ている)伝統的な村では、生理中の女性は「ムーン・ロッジ」という小屋にこもって、お月さまと語り合うのだという。


お月さまは少女の夢を通して、その部族にとって大切な教えや道しるべを授けてくれるのだ。

よく見ると、右目と左目は少し違う。私のおじいちゃんが最近、片目の視力を失ってしまったのだけど、光の世界と闇の世界を、両方見つめているということ。そう考えてみると、必ずしもネガティブなことじゃなく、神聖なことなのかもしれない。


このネアリカを見てくれた人を、買ってくれた人を、温かく見守り、良い方へ導いてくれますように🌝

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