黄波戸井ショウリ

ラノベ作家/脚本家

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『本格ファンタジー』定義罪

初めて話題になった本格ファンタジー談義Twitterでにわかに盛り上がりを見せた本格ファンタジー談義。 Web界隈の長い人は「またか」という反応を見せていたが、私見を述べれば本格ファンタジーがまともに話題になったのはこれが初めてだ。 「いやいや、今までどれだけ血が流れたと思っているんだ」 と言いたい方もいるだろうが、冷静に考えて欲しい。 これまでは狭い界隈の何人、何十人が声を上げる程度でしかなく、発端となるようなツイートも行って100RTかそこら。検索すれば一通り読めてし

    • 第3話「三種の肉のスタミナ丼 前編」

      登場人物  カエラ:クロエ砦の女隊長。シエルとは士官学校の同期で気安い仲。好きな食べ物はカレー  アムアム(聖竜パルフェアムール):人と竜を司る女神。異世界を統べる四女神の一柱。好きな食べ物はおはぎ ジンソク、届いたダンボール(マウンテンバイク)を前に感動で震えている ジンソク:買った…買ってしまった…! 回想でこれまでのあらすじと自己紹介  俺の名前は手前仁則  自転車を駆って注文の品を届けるごく普通のフードデリバリーだ  変わったところといえば 異世界での出来事

      • 第2話「チーズハンバーグ定食大盛り」

        用語  ソバル連邦:シエルのいる国。魔王軍の侵攻を受けそう  フォー君主国:ソバルの隣国。ソバルとは仲がよくない 登場人物  フレイ:シエルの副官で真面目な女騎士。今回はチラ見せ  ネコラ:フォーの外交官で飄々としたイケメン。実は魔王軍のスパイ ※文字数の都合で脚本形式としました ジンソク、配達しつつ回想 主: 出前城でーす 俺の名前は手前仁則 ごく普通のフードデリバリー…だった 回想 シエル: ほんとにきたぁ…!! 存在しない604号室。そこには行き倒れた女

        • 『異世界グルメデリバリー 〜お届け先のマンションが行き倒れの女騎士につながっていた件〜』あらすじ

          「マンションの扉を抜けると、そこは行き倒れた女騎士だった…」 牛丼の注文を受けたフードデリバリーの青年、手前仁則がマンションの扉を開けると、そこは草原で三角座りしている女騎士シエルの前だった。任務中に仲間とはぐれて餓死しかけたところで不思議なアーティファクトを拾ったという。それを使うとデリバリーを注文できるようだ。 その後も仁則はたびたびシエルに呼び出されるようになる。グルメを届けてシエルだけでなく女神や異世界そのものも救ったりもする、仁則の奇想天外な日々が始まる。 なお、

        『本格ファンタジー』定義罪

          第1話「牛丼特盛」

          「間に合えええええ!!」  シャカシャカシャカ。  シャカシャカシャカ。  耳に入るのは風を切る音とペダルを漕ぐ音だけ。肩にでっかいデリバリーバッグの重みを感じながら、俺、手前仁則(テマエ ヒトノリ)は必死に愛用の自転車を走らせていた。 「人馬!! 一体!!!」  前の配達先はどこぞの主婦だったのだが、延々と旦那の愚痴を聞かされた挙げ句にゴミ出しを押し付けられてしまった。フードデリバリーの業務にそんなことは含まれないが「足が痛くてあなたにしか頼めないの」と言われると弱い。「★

          第1話「牛丼特盛」