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躁鬱(双極性障害)の人へ 少し楽になる考え方と全体の利益という視点

私の場合、躁鬱(1型)の鬱の時は、自己否定、罪悪感、焦燥感ようなネガティブな感情がグルグルしている状態だったのですが、今からその時を振り返って思うことは、自己否定は全くする必要がなかったということ。

なぜなら、躁鬱は誰にでもなる可能性があり、たまたま発症してしまったのであって、私のせいではないからです。

とはいえ、症状はキツく、その時、そのように考えられません。なぜ、自己否定や罪悪感、焦燥感を感じていたかというと、躁の時に人に迷惑をかけてしまった後悔や、家族が忙しく家事・育児に追われているのに、自分だけ寝てばかり、仕事ができない焦りなどでした。

しかし、外から見れば具合の悪い人が、寝ているのであって、適切な行動です。本当ならば、何も考えずぐっすり寝られると、体は回復していきます。

焦りを手放すためには落ち着く必要があるのですが、全ての人にとっての前提である、人権について触れると説明しやすいので、書いてみます。

「人権」とは「すべての人々が生命と自由を確保し,それぞれの幸福を追求する権利」あるいは「人間が人間らしく生きる権利で,生まれながらに持つ権利」

法務省より

人権は生まれながらに持っているもので、病気をしたからといって失うものではありません。差別や偏見も受けないことが前提です。躁鬱を発症しても、“生きる権利”を保証され、サポートを受けられなくてはなりません。

人権についての細かい話は割愛しますが、何が一番大切で、大切にしたりされたりしないといけないかは、私の中では、下記のイメージです。

唯一私にとって確かなものは、ここに私の体があることと、私が感じていることです(=体と心)

それ以外のものは、全て外側の情報に過ぎません。例えば、
・仕事
・子育て
・家事
・どこに住む
・どんな家に住む
・趣味
・ファッション

これら外側の情報で他人から評価を受けやすいですが、外側についているものである以上、その時々で変化したり、手放したりします。

躁鬱を発症したら、体の状態に応じて、出来る仕事、避ける仕事を選ぶのだと思います。体が辛い時に仕事をしないのは、“しない選択”であって、体と心を守るために必要なことだと思います。

他人からの評価は、外側についているものについてなので、一喜一憂する必要がないと考えています。

このように考えてみると、最優先させるのは体の回復と気分の安定だとわかり、落ち着くことができます。

次に、躁鬱を発症すると、自分の事しか考えられなくなってしまいます。私は発症時、子どもがまだ小さかったので、自分が育児に関われないことが悲しくて仕方ありませんでした。

しかし、全体の利益という視点で見れば、寝込んでいて相手もできずイライラしている自分が関わるより、子どものプロ(保育園や幼稚園)がいる場で預かってもらい、子どもの自由と安全が守られた方が子どもの利益が守られます。

躁鬱によって、家族のバランスが崩れます。崩れることや、ダメージを受けるのは仕方ないとして、どうすればダメージを最小限にできるか、病気だけにフォーカスするのではなく、全体のバランスから、的確な判断をする必要があると思います。

私の家族は、パートナー、子ども2人ですが、それぞれがもっとも重要で価値のある部分(=体と心)を持っています。

それぞれの心と体にとって、ダメージが最小にできるように考える時、発症している私が家事をしたり、育児をすると、ストレスを溜めて爆発し、家族の関係が悪くなりかねません。

子どもたちを預けたことで、静かな時間が確保され、ゆっくり休めました。いつまで症状が続くかはわからないので、家族でなくてもできることは、第三者にお願いして、時間を稼ぎ、その間にゆっくり休めたことは、後から思うと良かった点です。

私は全く考えられない状態だったので、パートナーが様々な手続きをしてくれましたが、子どもを預ける申請についても、医師の診断が必要なので、医療と繋がるのは重要だと思います。

自分のかかっている病院以外は知らないのですが、私の所は、ケースワーカーの人がいて、病気によって発生する、家庭内での困りごとの相談を受けてくれていました。

まずは、病院を受診するのが最重要です。躁鬱を発症すると、家族との距離感が上手くいかなかったり、人の忠告や意見を聞けなくなるなど、気分を安定させるための道筋をつけるのが難しいです。

気分を安定させる方法は、人の数だけあると思いますが、自己流で人の意見を全く取り入れずにやるのはとても危険だと思います。

躁鬱を発症し、それを家族・身内だけで支えようとすると負担が誰かに集中しやすいので、それぞれの健康を守りながら取れる方法をケースワーカーの方などに相談できると良いかもしれません。


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