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躁鬱(双極性障害)のわたしの工夫 自分という人の設定を変更してみる

躁鬱を発症した後、どのような生活をしたら良いのか?については病院でもデイケアでも、“規則正しい生活をする”くらいの一般的な話しかありません。「わたしが再発を避けて、生活を充実させるには?」については自分でやってみるしかないのだと思います。

今回は再発を避けるための、わたしの工夫について書きます。以前のわたしはこんな人でした。

・いいものを見つけたら友達に教えてあげたい
・楽しいことがあったら人に知らせたい
・自分から話題を振って会話を盛り上げる
・よく話す(話しかける)

特に問題はないように思えますが、わたしにとっては“楽しすぎる”、役に立てて”嬉しすぎる”などは、躁のきっかけになり得ることです。

躁鬱を持っている体、これは変えることができません。体を乗り物に例えると、以前と同じ乗り方では発症の可能性が高まると考え、乗り方を変えています。

以前のわたしは“話かける人”でしたが、今は“話しかけない人”に変更しました。

基本的にはこれだけです。具体的にどう振る舞っているかというと、聞かれたことに答える、という態度です。

何か良いものを見つけても、わざわざ友達にメールをしないし、自分の話もしません。聞かれた時には、聞かれたことだけ話します。

この変更の良い点は、話しかけない人(たくさん話さない人)で普段生活していると、“いつもより喋っている”状態に気づきやすいです。多弁に注意が向けられます。

コミュニケーションという側面から見ても、話しかけない人でいるメリットがあります。聞かれたことに答えるため、1つ1つの会話を気持ちよく完結させやすいです。

躁鬱の人でなくてもですが、身近な人とのコミュニケーションが上手くいくか、いかないかによって、その場の居心地や気分に影響を及ぼします。なるべく近い人との関係を整えて、安心して過ごせる事は、再発防止の鍵と考えています。

デイケアでも教えてもらった事ですが、寝不足や体調不良の時には、相手の言葉をネガティブに捉える思考になってしまいます。聞かれたことに答える、という単純なことができず、険悪な雰囲気になってしまいます。

例えば、
家族「今日デイケア行くの?」
わたし「なんでいちいち聞いてくるの?」

こんな会話があったとして、わたしはデイケアに行くか、行かないか、を答えばいいはずが、突っ掛かってしまっています。「行け」と言われているみたい、とか「体調悪いから話しかけないでほしい」かもしれませんが、相手の言葉をネガティブに捉えています。

会話のやり取りから険悪な雰囲気になってしまうとき、“自分の調子が悪いのでは?”と気づき、体を休めるなど対応することができます。

子どもとのやり取りでも、話しかけない人の設定で過ごしています。子どもに話しかけない、って冷たいと感じるかもしれませんが、子どもは黙っていても話しかけてくるので、聞いてくることに対して答えています。

これの良い点は、わたしが聞きたいことではなく、子どもが話したいことを聞けるところです。

ここまで、話かける人→話しかけない人の設定変更について書いてきたのですが、変更によりわたしがどう感じているか、に触れてみたいと思います。

まず、周りの人の反応ですが、わたしが設定を変更していることに全く気づいていません(おそらく)。何か言われたこともありません。

会話はよくキャッチボールに例えられますが、相手の言葉を聞いて、短い言葉で相手の取りやすいところに投げ返すようにしているためか、基本的に心地良いやり取りが出来ていると思います。

今は、相手を楽しませようと頑張っていない分、人との関わりはとても楽になっています。

やってみてわかったことですが、“話しかけない人”は“話を聞く人”でもあります。以前より人の話を聞けるようになっていると感じるので、つまらなくなった等の感覚はなく、成長している喜びを感じます。

対人関係のストレスが体調の悪化を招く躁鬱の人にとって、自分のコミュニケーションのパターンを見直し、体にあった設定をしてみるのも気分安定のための1つの方法だと思います。


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