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躁鬱(双極性障害)の人へ 必ず知っておいて欲しい、病識のある人とない人の違い

私は入院時、症状が重かったので、その病院で一番重症の患者さんが入る病棟にいました。

私は1型の双極性障害で、躁の症状は薬を飲んで休んでいればだいぶ落ち着いてきます。その時、周りが見えてくるのですが、周りの人はだいたい、下記のような感じでした。(何の疾患かはわかりません)

・やたらと話しかけてくる
・馴れ馴れしく、距離感が近い
・家族のごくプライベートな話を、名前も知らない私に一方的に話す
・上から下までジロジロ見る
・人の荷物の中身を堂々と覗く

など

自分の症状が落ち着き、やや冷静に物事を見れるようになっているので、それが嫌で嫌でたまりませんでした。そのため、病院側に個室を希望したり、なるべく廊下に出ないように、人と会わないように工夫して過ごしていました。

この時の私は、病識がないので、こういった人を“うざい”と思っていました。(誰かを中傷するために“うざい”と言ってもいるのではなく、説明上わかりやすくするために、あえて使用します)

しかし、知識のある人から見れば、上記の“うざい”行動が、なんらかの精神疾患発症による症状と理解します。

正しい認識は、そういう行動をしてくる“うざい”人ではなく、発症しているから、“うざく”なっている、という状態です。その姿は精神疾患の現れで、現象です。

知識のある人は、その人と現象を別物に捉えることができます。別の例ですが、上記のような“うざい”ことをしても、許されるし、大きな問題にならない人たちがいます。

それが、低年齢の子どもたちです。なぜなら、基本的に周りの大人が「子どもはそういうものだ」と理解しているし、問題が起こりそうなら、介入するからです。

加えて、子どもはまだ成長過程にあり、十分な社会性を身につけていないことも、全体として共通認識があります。

躁鬱で問題が起きるのは、社会性を身につけている大人が前提の社会で、逸脱した行動をしてしまうからです。(疾患によって理性が上手く働かないためで、本人のせいではありません。)

躁鬱自体は、誰でもなる可能性のあるもので、なってしまったからといってなんの非もないと思いますが、病識を持って、確実に対応していかないと、人との関係が壊れるなど、悪化することが考えられます。

躁鬱は、単に気分が上がったり下がったりする病気ではなく、人との関係性に大きな問題を抱えやすい疾患です。

もし、当人が避けられたり、罵られるなどすれば、この先の人生を歩く自信を喪失しかねません。

自分としては、みんなを楽しませたい、役に立ちたい、と思っているのに、“うざい”ことをしてしまって、人が離れていってしまうのは、大変な苦痛です。

社会には、躁鬱の人が抱えている困難を知っている人が少ないこと、を頭に入れておく必要があると思います。

そして、最初は、知識がある人とだけ関わった方が良いと思います。家族を含め、周りにそういう人がいないかもしれませんが、もし、いてもいなくても、繋がるべきは病院です。

なぜなら、病院には、知識のある人しかいません。“うざい”ことをしようと、その人と”うざい”は別物で、症状と理解しているからです。

かつて病院に行ってみたけれど、感じが悪かった、とか行っても良くなる気がしない、という人もいるかもしれませんが、私の個人的感想は、精神科は話を聞いてもらうところでも、優しく励ましてくれるところでもなく、症状の回復、これからの道筋をつける支援をしてくれる場所、といった感じで、とてもあっさりした所、というイメージです。

優しく話を聞いていたら、永遠と自分の話をする人がいて、時間が足りなくなるはずなので、精神科病院で話をたくさん聞いてもらうのは難しいのかもしれません。

躁鬱で著名人の中には、社会的に上手くいっているように見える人もいますが、そういう方々には能力とは別に、周りに“親的な役割”の人がいて、強力なサポートが受けられているだろうと思います。

病識のない人がやってしまいがちなのは、“がんばる”といった方向性の努力です。私自身、自信がなくなっている時に、自信をつけるため、とか、成果、結果を出して、みんなに認められたい、と思っていました。

でも、そいった努力は発症してない人にとってもストレスがかかるもので、回復してない時にやってしまうと、頑張れるほどの体力がないので、継続して取り組めず、諦める結果になり、自信も得られませんでした。

もし夢や目標が叶ったとしても、その現実の中でも躁鬱を持っています。であれば、出来るだけ早いうちから、自分なりのストレスコントロールや、生活の計画を立てておいた方が良いと思います。

躁鬱は関わる人との関係性によって、良くなったり、悪くなったりします。まず、知識のある人とだけ関わるのが良いのではないかと思います。


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