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躁鬱(双極性障害)の人向け 自分の好きなこと、楽しいことがわからない時の対処法

気分がある程度安定しているけれど、何をしたら楽しいのか、自分のことなのにわからない時期がありました。

なぜ、そうなってしまうのか?どうすれば見つけられるのか?振り返りながら、考えてみました。

好きなこと、楽しいことがないのは、言い換えればつまらない、そしてつまらない毎日を過ごしていて虚しい、といった感覚です。

発症する以前に、いわゆるキラキラした生活をしていた訳でもないにも関わらず、すべてが灰色がかった感覚になるのはなぜか?

一番大きいのは人との比較だと思います。”みんなは普通に生活できているのに”と、自分のいまと理想とのギャップに身動きが取れなくなります。この時、完全に無視しているのが、“みんなにもそれぞれの苦しみがある”という点。本調子ではない時、現実的な考え方ができなくなります。

次に、思考に偏り過ぎているから、という理由もあります。自分の状態を良くしたくてネットで調べたり、学んでわかったつもりになっても、実際にやってみるところまで繋がらないか、楽しめないので現実が変わらず、結局つまらない、から抜け出せない。

個人的な感覚ですが、発症後の一時期、自分の好きなこと、楽しいことに対するセンサーが弱まってしまう感じで、決してそれらが無いのではありません。

“楽しい”と感じることで、徐々に元気になっていくので、弱いながらもセンサーにかかるものを見つけられると良いですよね。

ここからは、好きなこと、楽しいことの見つけ方の話に移ります。

人による、と言ってしまえばそれまでですが、大人になると“本当に好きなもの”を見つけにくいと思います。なぜなら、全体的に大人の世界はとても整っていて、無駄がなく、効率が良いことがよしとされているからです。

一方、小学生の子どもを見ていると、良い意味で散らかっています。好きか嫌いかに関わらず、生き物に触れる機会が与えられたり、工作をしたり、楽器を演奏したり、運動したり。偶然に好きなものに出会う機会があるのです。

実際に、うちの子どもは学校で経験した一輪車が楽しかったから買って欲しいとねだったり、かいこの世話で、かいこが大好きになりました。

これに似た話を一つご紹介します

インドネシアのある地方では子どもがスマホを使う時間を減らすために、一人に一羽ずつヒヨコを配ったそうです。

ひょっとすると100人に1人くらいの子どもが動物を育てることが大好きになるかもしれません。他の子どもには、サッカーを教えたり、釣りに誘ってみたり、料理をさせてみたり、いろいろな活動に触れる機会を用意して演出していけばいいのです。

子どもたちのICTの使い過ぎについて考えるとき、何よりも大事にしないといけないことが一つあります。それはネットやゲームの他に「も」楽しいこと、やりがいがあることが、この世の中にはたくさんあるという実感です。大人になった時に、ネットやゲーム以外の活動を積極的に選ぶ機会を確保していくことが目標になります。これをレジャースキルと呼んだりもしますが、実は仕事や育児で忙殺されている大人にとっても心の支えになる大事なスキルです。

「ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち」 吉川 徹 著

ここに紹介したのは、子どもにICTリテラシー(情報通信技術を使える能力)を身につけさせるにはどうしたら良いのか?といった内容なのですが、大人にとっても、楽しいことの見つけ方のヒントがあります。

インドネシアのヒヨコを配るプロジェクトは「チキナイゼーション」と呼ばれたそうですが、これを自分自身にしてみるのです。

意図的に散らかっている場所に行ってみたり、以前よく行っていたけれど、今は行かないお店に行ってみたり。

先日、久しぶりにヴィレッジヴァンガード(書店)に行ってきました。本だけでなく、雑貨やTシャツ、お菓子などいろいろなものがあって、普段なかなか目にしないものもあって楽しかったです。


ホームセンターも、あれもこれもあって楽しいです。一つ好きなものを見つけると、数珠つなぎに“好き”が出てきます。園芸であれば、「この花好きだな、植えてみよう」→「この鉢かわいいな」→「ジョウロはこれにしよう」といったふうに。

自分の好きなこと、楽しいことは、ちゃんと知っているので、自分に聞いてみるのが、やはり一番だと思います。そのために、体に無理のない範囲で出かけて、いろいろ見てみるのも良い方法です。



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