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苦手な話。

現在進行形のことを話すのが苦手で、過去のことを話すのがすき。
未来のことは、何度も諦めてきたから話すのはこわい。
希望を含めずに未来の話をするのは難しい。

SNSで流れてきてびっくりした。
厄年の他に「八方塞がり」というのがあるらしい。
昨年のわたしはそれだったらしい。
らしいばかり言っているのは、大して調べているわけでもないし、
信じているわけでもない。占いはあまり信じない。

でも、そのワードが目に入ってすぐに確認した。
それはもう昨年のわたしは「まさしく」だったから。
自分が該当する年だとも知らなかったし、
そもそもそんな年があるというのも知らなかった時から「八方塞がりだ!」と、そのワードで頭の中がいっぱいだった。
かと言って、今年もまだ抜け出せているわけではない。

長男が小学生になる少し前に夫の転勤が決まった。
あまりにも急だったので、大して迷うこともなく単身赴任をしてもらう方を選んだ。
夫は月に1度か2度ほど帰ってきてくれた。
そのうち慣れるはずだと言われたし自分もそう思ったけど、
慣れることもなく毎度毎度見送るたびに泣いていた。
わたしは別れにめっぽう弱い。
毎度、また来月(早ければ2週間後)にでも会えるのに、
寂しさと責任と不安で潰れるかと思った。
そんなわたしを見て、子どもたちの涙は引っ込んでいたと思う。

めちゃくちゃ家族の仲が良いとは思ったことはなかったが、
そうでもなかったようだ。
夫とは仲の良い方の友達のような関係なんだと気づいた。
なんでも話せて一番笑かしてくれる。記念物にはなり得ない天然なのだ。
子どもたちもパパが大好きなのだと思い知った単身赴任期間だった。
単身赴任だと打ち明ければ、
「仲の良い家族だったからキツいんじゃない?」と言ってくれた人もいた。
そうか、うちの家族は仲が良かったのか!
たしかに、わたしが育った家族に比べれば仲が良い方だとは思った。
そして、その仲良し家族でいるのに夫の存在はめちゃくちゃ大きい。
そう思い知った一年を過ごして、家族で話し合って夫のところへ引っ越すことにした。
たくさんの不安を抱えてはいたけど、
引っ越すと決めてからは本当に忙しくてそれどころではなかったと思う。

引っ越してきてすぐに長男の新学期が始まり、
そしてすぐに不登校になった。
どれだけの後悔をしたかって話は別にしようと思う。
まだ話せる過去にはなっていないから。

じゃあ元居た場所にまた引っ越そうとも案はあったが、
また夫と離れて暮らすことになる。
なかなか思い切ることもできないまま不登校の対応に追われ、
気がつけば引越しするほどの余裕がうちにはなかった。

転勤によっての引っ越しは会社負担で費用もほぼかからなかったが、
戻るには自己都合になるので全額自己負担だ。
しかも、夫も単身用のところに引っ越すことになる。
二箇所分の引越し費用の諸々がかかる。

夫の浪費癖は元からあった。
それでもわたしも働いていたので少額でも貯金しながら生活できていたが、
我が家は低学年の不登校の子を置いて、外に働きに行くことができない。
家でできる仕事を探そうにも、何も持っていないわたしには難しく、
ことごとく落ちた。
求人要件を見るたびに残念な自分を否定するだけの時間になった。

初めての不登校児の対応、学校とのやりとり。
疲弊は溜まるのに、貯金は減っていく一方。

「あぁ、八方塞がりだ」

と、前述したように頭の中はそれでいっぱい。

きっと抜け出せる方法はあるだろうに、
わたしのやる気も時間も何処かへ消えてったように思える。

言い訳ばかりの自分にも、心の奥底で人のせいにしているような自分にも、
そんな自分を責めることにも疲れてきているので、
今年は何か変えたいと思っている。

今年のおみくじをまずは頼りにしている。
人を助けると願いが叶うらしい。
余裕がない人間には酷だが、末吉らしい結果だと思った。

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