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2024/5 東北旅行記 ep13:青森名物「のっけ丼」、食うべきか食わざるべきか(むつ~青森)


前回のあらすじ

何で真矢みきが朝の情報番組MCを務めたのだろう?

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本編

●浅虫にちょっと寄り道

長かった本旅行記も終わりを迎えようとしている。いよいよ最終日の朝である。この日は最後の宿「民宿 小向」を出発し、まず青森駅へと向かう。

と思ったのだが、出発が思いのほか早くなったので、近くにある「ボン・サーブ」という、アイスを売っていたり動物と触れ合えたりするっぽいところに行くことに。しかしながら朝が早かったので営業しておらず、外で飼育されているヤギに睨まれるだけで終わった。

親子だろうか

うーんしょうがない。もう青森駅に行っちゃおう。ひたすら車を走らせる。道中にもいくつかの民宿がある。ろくにネット上に情報がないので、地道にフィールドワークして探すのが良いのかもしれない。

青森駅に着く直前、浅虫温泉の道の駅「ゆ~ざ浅虫」に停車し、お土産を買ったり、名物のくじら餅やリンゴ系の洋菓子を食らう。くじら餅は、かなり固いようかんみたいな感じ。クルミが良いアクセントである。この道の駅は日帰り温泉もあるらしい。温泉街も結構良い雰囲気で青森駅から近いこともあり、いつかまた来てみたいと思った。

しかしよくこんなに食うよね。

●名物「のっけ丼」、気になったが見送ることに
さて、浅虫温泉から15分ほどで青森市街へ。駅ビル「ラビナ」に駐車して歩く。この駐車場、動線設計が悪いのか何なのか入るのにも出るのにもかなり時間を食った。

駅周辺は商店街の規模が大きく、今風の店や大規模なビルもあったりして、東北の中でも屈指の街であることを感じさせる。仙台と秋田の中間くらいの繁栄具合に思える。一方で高齢化や東京への人口流出の影響か、営業していない店も多いのがもったいない。

まず向かったのが、駅前の「アウガ」というビル。不思議な建物で、地下は市場のように小売店が並んでおり、上層階は行政の窓口が入っているらしい。

地下の「アウガ新鮮市場」。駅前の商業ビルとは思えない不思議な雰囲気である

地下のアウガ新鮮市場は、海鮮に瀬戸物、野菜などさまざまなものが売っている。イメージとしては八食センターに近い。海鮮丼やラーメンといった飲食店も入っているが、GW最終日ということもあってか人気は少ない。というか店側も新聞を読んだりスマホを見たりする人が多くやる気がない。一部の店だけやる気があって、NPCのように何度も同じような声をかけてくる。

ざっと見て、ぶらぶら歩いていると偶然「青森魚菜センター」なる施設を見つけた。半券を買い、中にいろいろある店で刺し身やらご飯やらを引き替えて作れる好みの海鮮丼「のっけ丼」が名物の施設である。事前にのっけ丼自体はマークしていたが、すっかり忘れていた。

別に腹は減っていないが海鮮はなんぼでも食える。一応中に入ってみた。1枚170円、12枚2000円で半券を販売しており、ご飯は普通盛りが1枚、大盛りが2枚。あとは刺し身がグレードに応じていろいろある。

食べてみようか迷ったが、引っかかった点がいくつかあった。まず、米を配膳するエリアを見たところ、冷ましたものではなく炊飯器からアッツアツの米を盛りつけている点。これではせっかくの刺し身があったまって台無しである。

あとはショーケースなどに入れず、むき出しの刺し身が多いこと。刺し身の敵は何よりも乾燥であり、朝から出しているのであれば表面がダメになっている可能性がある。

加えて、なんか施設内部が不衛生な感じがする。中に入った瞬間にもわっと嫌な空気を感じるし、虫も飛んでいる。むき出しの刺し身にハエとかが止まっていた可能性も否めない。

こうした点から、ひとまず食わずに撤退した。

●やっぱり、気になっちゃう。

のっけ丼を見送って向かったのはウィーン菓子専門店の「シュトラウス」。1階がテークアウトで、2階が喫茶室になっている。非常に雰囲気が良い。

名物の「ザッハートルテ」と「アップフェルシュトゥルーデル」を注文。ホッコを頼もうとしたがタイミング悪く機械が故障しているらしく、レイコーを合わせる。

ザッハートルテ
アプフェルなんとか

ザッハートルテはまあザッハトルテ食ったことあるしビックリすることはないけどしっかりおいしい。アプフェルなんとかは、パイがしっとりしているアップルパイで、生地に味が染みていて同じくうまい。

うまいんだけど、この間も私の頭にはあることがひっかかっていた。そう、のっけ丼である。やっぱり海鮮丼は食いたい。名物っぽいし。でもなあ。なんか衛生的にヤだったのよねえ。

私にはわかる。こういうときには結局、適当な理由をつけて、こじつけて食う。そんな気がする。でもなあ。あんまり乗り気になれない。Google マップでさっきののっけ丼の施設を調べて、評価が低い順から見たり、Xで「のっけ丼 期待外れ」などいろいろ組み合わせて調べたりする。

まあいいや。取りあえず店を出る前にトイレに行こう。そこで驚いた。小便器が「デリシア」という名前だったのである。どうしても、「おいしい」を意味する「delicious」がちらつく。なんでわざわざそんな単語を便器の名称にしたのか。まあ、調べたら「delicia」はスペイン語で「歓喜・喜悦」という意味らしいので、直接的に飯とは関係ないのか。にしても小便器に歓喜とか喜悦を意味する言葉使うかね?

●再びのっけ丼施設へ

シュトラウスを出て「さくら野百貨店」へ。八戸の店舗より立派である。もちろんこの間ものっけ丼のことで頭が一杯である。さて、どうしよう。果たして私はのっけ丼提供施設である青森魚菜センターへ向かった。中に入るとまたムンと嫌な空気。うん、やっぱやめておこう。

魚菜センターの脇にはこんな景色が広がる

実は黙っていたが、もう一軒気になっている店があった。アウガ新鮮市場にあったラーメン店「㐂伝」である。店の前を通りがかったとき、煮干しスープのたまらない香りがして、店構えも雰囲気があって、食おうか迷っていた。のっけ丼は結局食わなかったが、食欲は膨らんだので、ラーメンを食らわん。

いただいたのはもちろん、看板メニューである焼干し中華。シンプルな、ザ・中華そばてな感じの雰囲気を放つ一品である。

焼干し中華(850円)

味は期待通り、すっきりしながら煮干し系のダシがしっかり効いている。チャーシューが大ぶりなのもうれしいし、ネギもしっかりと入っている。白コショウをふりふりしながら、おいしくいただいた。

さて、今回はここまで。多分次回が最終回です。



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