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宮﨑駿さんはやっぱり好きだなあ

先日久しぶりに映画館へ行き、宮﨑駿さんの「君たちはどう生きるか」を観て来た。
人混み苦手とか色々あり、映画館で映画見ることが殆どなくなり、あーこれは映画館の大画面で観たいなあというやつだけになってるのだけど、そもそも映画自体を観なくなってるので、行ったとしても年に1~2本とかそれ以下とか。

それだけ観に行かないと、行くたびに何かしら新しくなっていて驚いたりするのだけど、今回は始まる前の予告映画的なものの長さにうんざりして、それだけで疲れちゃった(笑)。こんなに長かったかなーとか思いながら、ただ今は夏休みシーズンだからかアニメの予告が多くて助かったかな。
もうひとつダメだったのがやっぱり”香り”で。何人か香水キツイ人が通るたび「近くの席でありませんように」と祈ってしまった。ポップコーンとかの食べ物系はまだ大丈夫だけれど、香水系は昔っから苦手で、映画館のような密閉空間の時はやめてほしいなぁーとか本気で思ってしまう。そういうのが重なって映画館から足が遠のいたのもあるのかもしれない。

で「君たちはどう生きるか」を観て、の事を少し書こうかと思うのだけれど、これから観ようと思っている人は、ネタバレも含んでしまうと思うので、この先読まないで観たほうがよいかもしれないです。悪しからず。
でもって、あくまでも私個人的な主観的な感想です。






本当は観る気が全くなくて、そもそも今回のは宣伝をしていないから「宮﨑監督の映画やるんだ」くらいにしか思ってなかったのだけれど、主題歌歌っている米津さんの「地球儀」聴いたのと、米津玄師さんと菅田将暉さんの対談YouTube見て「あ、これ観なきゃいけないやつだ」となり。
せっかく宣伝広告していないのだからと、それ以外の情報は一切入れずに観に行った。

映画だからどれもそうなのかもしれないけれど、観方で楽しみ方が分かれそうだなーと思う映画で、単純にジブリ作品として映像の美しさやお話のファンタジーで楽しむことも出来ると思う。

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私が感じたのは。
とてもとても情報量の多い映画だった。
そして、観た人に種を蒔いてくれる作品だなーと。これ観ると、いつかどこかのタイミングでその種がポン!と弾けて「ああ、そうか」となりそうな。
その種とも言えるものすごく細かくて膨大な情報が至る所に含まれていて、多分それ追っても追いつけない。

そのヒントや細かさは、DVDなり出たら都度都度止めて確認したいくらい。映像にも、言葉(セリフ)にも沢山ちりばめられていた。視覚と聴覚と最大限に使って表されたんだなー。すごいなぁー。

文章で言ったら ”行間” 、間合いみたいなもの、そんなところにものすごい量の情報が含まれていて、惜しげもなく開示されていた気がする。
そうか、宮﨑さんからはこう観えてこう感じられ、こう現すことが出来るのかーという畏敬の念と驚きと。

こういったものを映画というもので現すのに、ようやく時代が追いついてきて、今だから宮﨑さんが現したいものとして、公開できたのかもしれないな。
ここ数年での宮﨑監督後追いしてきたアニメ監督たちの作品群や、米津さんや菅田さん藤井風さんのような次世代の出現。
あまりにも前を走りすぎていた宮﨑さんにようやく時代が追いついてきて、出ることが出来たのかもしれない。

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前宣伝一切しなかったというのも何となく分かる気がする。
これは、何も情報入れないで真っさらで観たほうがいい。
エンターテイメントとして捉えないのであれば、ストーリーを追わず、ただドーンと観ると、ある意味ものすごく楽しめるかもしれない。

お経のような、マントラのような、見えてるもの聞こえてるものだけではないものが沢山詰まっている作品。たぶん、ふつーに映画として楽しんで観て、いつかある時に見えないほうが気づきとして現れてくれるスイッチのひとつになるんだろうな。そんなものがギュウギュウに詰まってる。
それを意図して作られたのかは分からないけれど。

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「君たちはどう生きるか」というタイトルだけど。
自分はどう生きたいんだろう?と投げかけてくれる一方で、
どう生きてもいいんだよ、という宮﨑さんの優しさが隠れている気もする。
エンターテイメントとして観る「自分はどう生きるか」。表の部分。
行間・間合いに含まれている見えない部分。
そこがあるからこその「自分はどう生きるか」。

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やっぱり宮﨑さんはスゴイなあ。素敵だなあ。好きだなあ。
宮﨑駿という人だからこそ現せるもの。
そしてそれは、宮﨑さんほど強烈ではないとしても、誰しも持っているものであり、誰でもその人にしか現せられないものであり。
人の数だけあるこの世界の宝もの。



年に数回しかない機会は
とてもとても充実した楽しい時間でした

たぶんいっぱいの種を貰って
私がまだ気が付いていないナニカが
そのタイミングで芽吹いてくれるのでしょう

ありがたい
幸せな いっときでした

ありがとうございました

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