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おとだま

わたしはあなたの言葉が聞きたい

あなた自身の言葉を聞きたい

どこからか聞いてきたことや
読み知ったことや
そんな言葉ではなく

あなたから湧き出た言葉を聞きたい


誰かの言葉の真似事や
知り得たなかでの思い違いや
あの人が言っていたからとか
この人の考えたことだからとか

そんな

そんな戯言ではなく

あなた自身がうみだす言葉を聞きたい


知識はもちろん必要で
知り得たことは大切だけれども
それを
身体を通して実践し体験し
あなたが体感したそのものを
あなたの言葉として現した
そんなあなたの言葉を
わたしは聞きたい

どこかからの借り物の言葉は
ヒラヒラと舞うだけで
何も響かない

たとえ
おぎゃーというひと言でも
その人から湧き出た言葉は
あたり一面へ響く


頭からひねり出した言葉は
あなたの言葉ではなく
カラカラと音を立てて散っていく

こうすれば
こうだろうとか
知識と知識を幾ら繋げても
あなたの言葉にはならない

文才だとか
表現力だとか
そんなものは関係ない


あなたはいったい
どこへ行ってしまったのだろう

どうしてそれを
あなただと
思い込んでいるのだろう

そこからは
あなたの言葉は
聞こえてこない

あなたでないものの音しか
聞こえてこない

あなたでないものの音が
あなたの中で聞こえているから
それがあなたの音だと
あなたは思い
あなたでないものの音が
あなたの言葉だとして
はきだされる

そこに
あなたは
いない


わたしは
あなたの言葉が
聞きたい

あなた自身の
言葉を
聞きたい

あなた自身から湧き出たそれは
一瞬で
わたしに響くから

あなたの
響きを

わたしは
聴きたい




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