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シリアス女優に飛躍するキャスリン・ハーンが演じるのは・・・

2000年代初期のテレビドラマ「女検死医ジョーダン」の頃からコミックな脇役で活躍してきたキャスリン・ハーン。テレビも映画も出演作の数がすごく、しょっちゅう顔を見る女優さんです。特にコメディに出るたびに主役を食う「シーン・スティーラー」ぶりが注目されてきましたが、ここ数年はシリアスなドラマにも飛躍中です。

アマゾンプライムの「ロマノフ家の末裔」シリーズ、第7エピソードを見ていたら、子宝に恵まれないアメリカ女性が、赤ちゃんを養子にするため夫とロシア、ウラジオストックを訪れる話でした。不妊のためつらい治療を繰り返した挙句、最後の選択肢として養子を取ることにした、そして彼女がロマノフの血を引いているためロシアで(でもロマノフ家は本当はドイツ系だったらしいが)、ところが現地で思いがけないつらい事態に直面。いま見ているのですが、彼女の演技があまりに正直でリアルで引き込まれてしまう。引き込まれながらも、「でもこれ、どこかで見たことがあるような・・・」という気がして思い出したのは。

昨年の映画「プライベート・ライフ」で、キャスリンはポール・ジアマッティ(最近は「ビリオンズ」の演技がすごい)との夫婦で、子供がほしくてあらゆる手段を試すという話でした。お金のかかる治療のために友達にお金を借り、試す手段もエスカレートするし、失敗続きで精神的ダメージも大きい。「ロマノフ家」での役と基本的に同じ。

そして、数年前の「あなたを見送る七日間」(日本では未公開、原題は This is Where I Leave You)というティナ・フェイ主演の、お葬式に家族が集まって・・・というコメディを見ていたら、そこにもキャスリンが出ていて、子供が欲しくて必死、というのがその役の全存在みたいな役を・・・。

キャスリン・ハーンが、不妊に悩む女性を演じるのがうまくてこういう役が彼女のところに来るのか?40代の女優に来る役は一般的にこういうものが多いのか。

いずれにしても、キャスリン・ハーンの、養子になる子供と出会う前のワクワクしながらも不安な表情、初めて赤ちゃんを抱き上げた時の文字通り目のまわりがぱっと明るく、輝くような顔、真実に気がついたときの絶望・・・彼女の演技はお見事のひとこと。どんな役でもいつまでも見ていたいと思わせます。

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