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社会人デビュー! 君の武器はなんだ!?

読んでいただきありがとうございます。
これは、ただの僕の回想録でして、
R25的な、ビジネスインフルエンサー的な、
自己啓発的コラムではございません。
ここから先は超くだらない、超個人的な思い出話となっております。
心してどうぞ。
それでは、いってらっしゃい!!
(byホリエモン)
#気分はビジネスインフルエンサー

一ヶ月の缶詰研修は刑務所暮らしかと思った

大学を卒業した22歳の春、僕は社会人となった。
僕の就職した企業では、新入社員はとある研修施設に1ヶ月、
泊まり込みの新人研修があった。
忘れもしない3月31日、スーツケースを転がし自宅を出るその気分は、


「これでシャバの生活ともしばらくお別れだな」
でした。
大袈裟ではなく、マジで超ブルーだったのを覚えてる。
ただでさえ学生というユートピアの終わり、社会人デビューの重圧があった中、一ヶ月同期と寝食を共にしなければならないなんて。
自慢じゃないが、人見知りで、心のシャッターを開くことはめったにないんです私。


ってか、3月から研修開始させてんじゃねぇ。
今思い出しても腹たってきた。
多分、4月1日から研修開始なんだけど、前日集合だったんですよ、確か。
全国から集まってくるからね。
僕は電車で1時間の距離に実家があったんだけども。
だから、休みの日は速攻地元に帰っていた。
#合法的脱獄


で、研修期間は、まあ誰にも心を開くことなく、ただ外面は笑顔で、乗り切っていた気がします。
どうしても同期のわちゃわちゃの輪の中に入っていけず、居場所がなかったのを覚えてるなぁ。
「俺たち、同期だぜっ!」
「俺たち、同期だから、俺の特技の三線を教えるから、みんなでやろう!そして踊ろう!」
「俺たち同期で、各支店に配属されても、先輩なんて追い抜いて、トップの成績をとってやろうぜ!」
みたいなノリが全く共感できなかったなぁ。


いや、多分俺が悪いんだと思うんすよ。
「俺たち、同期だぜっ」って肩組まれるんすけど、いやちょっと、、って手をやんわりどけてた感じ。
#実際は笑顔で同調してるフリしてた
#自己主張できない男
ただまぁ、研修自体は真面目にこなしていたと思います。

配属発表と大嘘

配属先を決める面談ってのが、人事の社員とありまして。
全国勤務契約なもんで、どこに行くはわからんのです。
北は東北、南は鹿児島まで。
僕は、東京生まれ東京育ちなもんで、
その時は地方に行くのが本当に嫌だったんです。
#今は経験として行っといてもよかったかな、とか思う
#むしろ海外に住んでみたい

面談の時に、配属地の希望はあるか?って聞かれて、
東京です、って答えたんです。
そこで少しでも東京配属の可能性を上げたくて、どうしても地方が嫌で、
つい言ってしまったんです。
「あのー、祖母が身体が悪くて、家族がそばについて面倒を見てあげなければならないんです」

はい、最悪!!
俺、終わってる!!
全然おばあちゃん元気!!
元気じゃなかったとしても、別に面倒見るの孫の俺じゃなくても良い!
はい、論破!!

研修最終日、配属発表がありました。
1人ひとり名前を呼ばれ、配属先が大声で発表されていきます。
本当にね、雰囲気が刑務所の号令か、
戦時中の兵隊さんの出征地命令、みたいなんすよ。
僕と同じく東京出身だった同期の名前が呼ばれ、
「○○っ!鹿児島支店!」
そいつが間髪入れず、「はいっ!行ってきます!!」って大声で言ったんすよ。

自分が情けなくなりましたね、自分の小狡さに。
申し訳ないって、心の中で彼に謝りました。
そしてついに僕の名前が呼ばれました。
発表された配属先は、東京の支店でした。
僕の自宅から最も近い、電車で20分もかからない配属先でした。

嫌われ支店長からのお言葉 「お前の武器はこれだ!」


配属されたその日から、なぜか僕は支店長から嫌われていました。
多分ね、見た目と性格がナイーブで、体育会系ではないこともあるんだろうな。
色白だし、ひょろっとしてるし、
やる気なさそうに見えたんだろうな。
でも、性格はすっごい真面目なんすよ、私。仕事も真面目。
まぁ確かに、狡いし、卑屈だし、人に心開かないけど。

その支店には、同期の女の子が1人僕と同時に配属されていて、
その子は支店長のお気に入りでした。
もうね、新人2人の差別が笑っちゃうくらい露骨でね。
営業カバンを買うために、会社から5千円が支給されるって話だったんすけど、
彼女は支給されて、俺はされなかったなぁ。
あれはなんだったんだろうなぁ。
どんな組織にもいろんな派閥ってのがあるもんで、支店長に嫌われた僕は、いつの間にか副支店長派閥となっていました。
支店長はネチネチ系嫌われ者、副支店長は熱血系嫌われ者でした。

そんなこんなで、配属されて三ヶ月くらい経った頃、
支店長と副支店長を交えて、新人2人との面談がありました。
仕事は慣れたか、社会人とはこうあるべし、的な話が続きます。
社会人、まして営業は武器を持たなきゃならん、
お前らの武器はなんだ、と支店長はおっしゃいます。
僕らは顔を見合わせ、
なんじゃろねぇと答えに窮していました。
代わりに支店長が僕らの武器を答えてくれました。
まず、同期の女の子。
「お前の武器は、愛嬌と度胸だよ。そして根性もある。
お前が押せば、どんな商品でも、お客さんは買ってくれると思う」

なかなかの褒め言葉でした。彼女を相当買っていることが伺えます。
次に、僕の番になりました。
どんな武器なのかなぁと期待していると、
支店長がたっぷり間をとって言いました。

「お前の武器は、、、家が近いことだ」

話は以上でした。
隣にいた副支店長の唖然としていた顔が忘れられません。
いや、いいんすよ、家近いことが武器でも。
でもその前にさ、同期の子のこと、内面とかめっちゃ褒めてたじゃん。
どんな商品でも買ってくれるって、すごくない!?
家近いことが武器ってさ、その武器あんま強くなくない?
結構誰でもその武器持つこと可能じゃん。

言うことなかったんだろうな。
なんかごめんね!!

でも今僕は別の会社で、支店長をやっているからわかるんす。
確かに、家近いって超大事。
ありがとう支店長!!

ところで、あなたの武器はなんですか?
#僕は家と職場が今でも近いことです!


あなたのいらっしゃる方角に向かって、一回きちっと深ーいお辞儀をします。