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トレンデレンブルグ歩行について

今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることや考えについて書いていきます

今日は股関節疾患で生じやすい、トレンデレンブルグ歩行について書いていきます

トレンデレンブルグ歩行とデュシェンヌ歩行について

トレンデレンブルグ歩行は、立脚期の中期において股関節外転筋の筋活動が不十分な場合に、遊脚側の骨盤が下制する現象のことになります

このトレンデレンブルグ歩行では、重心動揺が大きくなり、歩行の効率が低下します

荷重が大きくなる時期に、骨盤が下制するため、前額面上寛骨臼の傾きが浅くなります

つまり股関節がうまくはまっていない状態になるわけなので、関節応力が高まります

関節の応力とは

重力や身体各部からの負荷で生じる力(外力)や筋収縮力や軟部組織の弾性力による力(内力)の影響で関節に作用する力のことを言います

難しいので簡単にいうと、変形に抵抗する力だと思ってもらっていいです

しっかり大腿骨頭が寛骨臼にはまっていれば、応力はそこまでないですが、うまくはまっていない状態だと、それだけ股関節は応力に対して耐えないといけません

結果、軟骨の破壊が進むこともあると記載があります

デュシェンヌ歩行は、トレンデレンブルグ歩行を補正しようとして体幹を患側に傾ける歩行を言います

やはり原因は中臀筋なのか

中臀筋の機能不全でトレンデレンブルグ歩行は起こります

なぜなら中臀筋は骨盤を水平に保つ作用があるため、機能不全に陥ると、骨盤を水平に保つことができないので骨盤が健側に下制するということです

ただ、中臀筋の作用としてはそれだけではなく、中臀筋は大腿骨頭の求心を保つ作用もあるとされます

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中臀筋機能不全ではこの求心を保つという機能も失われます

ここでのポイントが、そのことによって過剰に収縮して関節を安定させようとする筋が出てくることです

それが、腸腰筋、内転筋になります

中臀筋機能不全によって、不安定になった股関節を動的制御するのが、腸腰筋、内転筋になるので過剰に収縮します

結果、内転筋拘縮の完成です

内転筋拘縮の状態で、中臀筋が作用すると、大腿骨頭には剪断力が働きます

結果、さらに股関節症が進行する状態になるということでした

まとめ

トレンデレンブルグ歩行が出現している患者に対しては、中臀筋の機能回復、内転筋、腸腰筋のスパズム改善を行うようにしています

やみくもに手技を行っても、結果は出ません

しっかり理論に基づいて施術を行いましょう

明日も臨床頑張りましょう

ではまた

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